リモートワーク

Slackおじさんに苦労させられた話

当方、フリーランスのエンジニアです。

以前参画した案件で、奇妙なSlackの使い方をする、オジサンと出会った事があります。

私は、その人を、Slackおじさんと心で思っていました。

Slackおじさんには、苦労させられました。

みなさんの周りには、このようなSlackおじさん、身近にいますでしょうか。

 

 

1. Slackおじさんとの邂逅(体験談)

その案件は、フルリモートで、基本、コミュニケーションは、Slackで行います。

 

チームの構成は、実装担当のエンジニアが複数名。

プロパーの1人が、それら複数のエンジニアを管理する役割で、入りました。

この管理担当のプロパーが、Slackおじさんです。

 

Slackおじさんは、進捗管理が主な業務です。

簡単に言えば、各エンジニアが、遅延なくスケジュール通りに、業務をこなせているかどうかを、確認する役割です。

最初に、引いたスケジュールに遅延が発生していないか、を確認するだけなので、専門的な技術的な知識は、不要です。

このSlackおじさん、技術に明るくない人で、そもそもが、新しい事を覚えようともしないタイプの人でした。

 

2. ひたすらSlackを送り続けるおじさん

「技術者の進捗を管理する」仕事・・

例えば、各日の最後に、当日行った作業の確認、進捗具合、(あれば)問題点などを、各エンジニアに、日報的な報告をさせれば、事足りると思います。

 

しかし、このSlackおじさんの取った行動は・・

リモートで働くエンジニア達に、ひたすらSlackを送り続けるというものでした。

 

Slackを送り続ける事 = エンジニアを管理している

と思い込んでいるようでした。

 

Slackメッセージの量は、本当に、かなりの量を送ってきました。

常時、チャンネル上に流れているような状態です。それが、一日の間、続きます。

 

一日中、Slackを打ち込む事が、Slackおじさんの仕事と化していました。

 

3. リモートワークをどう管理するか?

オンサイトで皆が集まって、作業をしていれば、デスクまで行って、「今取り掛かっているタスクの進捗はどう?」と聞けば、済む話です。

それに、オンサイトでは、作業要員であるエンジニアが、オフィスに出社してデスクに着いているならば、いわゆる、「仕事中」と捉える事が可能です。

オンサイトでは、人材の管理は、容易なのです。

 

一方、リモートではどうでしょうか。

 

リモートワークでは、まず、チャットやメール、オンライン電話などのツールを駆使して、コミュニケーションを取る必要があります。

オンライン電話で、画面に顔を映しているなら、管理者は、作業要員が「仕事をしている」事を認識できます。しかし、常時、オンライン電話を繋ぎっぱなしで、作業をするわけにもいきませんし、これでは、リモートワークのメリットを享受できず、むしろ、オンサイトと大差ないので、この煩わしさを勘案すると、おとなしく、オフィスに出社した方がいいかもしれません。

つまり、リモートワークでは、相手が本当に作業をしているのか、判断が難しいのです。

仮に、チャットで返信がきたとしても、相手が、デスクについて作業をしているのかどうかは分かりません。もしかしたら、仕事などせず、ゲームでもやりながら、片手間で、スマホからチャットの返信をした可能性もあります。

 

もっとも、それゆえに、リモートワークでは、成果物が大事なのです。

成果物が大事、といっても、その成果物が出てくるまで、ある程度、相手を評価できる状態になるまでは、管理者側にとっては、不安がつきまといます。まだ、信頼関係が築けていない状態と言えるでしょう。

 

4. Slackを大量に送ってきたワケ

今回私が出会ったSlackおじさんは、Slackを使いまくり、相手を物理的に管理しようと踏んだのでしょう。

少なくとも、Slackで、やり取りをしている瞬間は、仕事の事を考えている=仕事をしている、と捉えても差し支えないでしょうから。

 

  • 管理者が送ってきたSlackをすぐに返信する = 仕事をしている
  • 管理者が送ってきたSlackをすぐに返信しない = 仕事をしていない

 

別の言い方をすれば・・

  • 会社に出社しているなら、仕事をしている
  • 欠勤しているなら、仕事をしていない

 

という理屈と同じです。

管理者にとっては、分かりやすいです。

 

会社いても、仕事をしていない奴はいる、という反論は当然ありますが、派遣社員やアルバイトも、そこにいる限り賃金は発生します。

賃金が発生する=仕事をしているという事であり、生産性という論点を抜きにした考え方です。

 

5. Slack大量送信の何が問題なのか

問題点は、2つあります。

  1. 業務と無関係なSlack内容
  2. 各人の作業の邪魔になる

 

詳しく述べていきます。

 

このSlackオジサン、先述の通り、ITリテラシーの低い方でした。プロパーの方で、50代くらいのベテラン風の方でしたが、業務内容もよく把握されていないように感じました。

なので、Slackで送ってくるメッセージの大半が、業務と無関係の内容でした。

 

例えば・・

  • 今朝、カレーを食って美味かった
  • ランチ、何を食べよう
  • 今、スマホゲームの〇〇をやっている

などの、どうでもいい内容でした。

 

ちなみに、これらのメッセージに対して、返信をしないと「仕事をしていない」という評価が付けられます。

 

もう一つの問題点は、各人が抱えている、本当に仕事の進捗が滞るという事です。

 

この案件は、要件定義や基本設計などの比較的、上流工程は、既に終えており、リモートワークは、詳細設計やプログラム開発、テストの工程を主に行います。

既に、要件や仕様は固まっているので、後は、手を動かす仕事です。

 

設計をしている時、プログラムの実装をしている時、どうでもいい雑談的なメッセージが大量に送られてきて、それらの返信を強要されるので、仕事の邪魔になっているのです。

送られてきたSlackを対処するごとに、一々、仕事をしている、手や思考が止まってしまいます。

生産性が低下していきます。

 

6. 生産性を高めるはずが生産性の低下

エンジニアにとって受けている仕事は、設計やプログラム開発、テストを期日までに完了させること

Slackオジサンにとっての仕事は、Slackでメッセージを送り続けること

 

つまり、エンジニアは、このクライアントから受けている通常の仕事以外に、ひたすら送り続けられるSlackを、返信し続けなければならない、というタスクも発生するのです。

 

且つ、Slackの返信有無は、評価に繋がります。

全く業務と関係の無いとはいえ、そのSlackを返信しないのは、低評価を付けられるのです。

あまりに低い評価が続くと、契約終了というフリーランスにとっての最悪の結末が待っています。

したがって、エンジニア側からすれば、どうでもいいSlackを返信し続けるタスクと、通常の設計、製造のタスクを担わなければならないという事態に陥るのです。

 

私が、Slackおじさんと一緒に仕事をした時は、クライアント企業の営業時間である、9時から18時の間は、ひたすら、どうでもいい、Slackメッセージを送りつけられるので、その間は、ひたすら、Slackの返信をすることを優先させました。

そして、クライアント企業の営業時間が過ぎると、ピタリとSlackPOSTが止まるので、19時くらいから深夜にかけてが、ようやく、本来の仕事を、対応できる時間帯になります。

 

7. まとめ

 

要約リスト

・Slackおじさんとは、リモートで働くエンジニアを管理する為、一日中、ひたすら、Slackを送り続けるおじさんの事を指す

・Slackの返信をしないと、仕事をしていないとみなされ、エンジニアの評価が下がってしまう。ゆえに、SlackおじさんからのPOSTに、返信することは、実質必須である

・Slackおじさんが送ってくる、Slackの内容は、業務と無関係の内容が多い。つまり、エンジニアの業務の邪魔になっている

・Slackおじさんは、自分では、エンジニアを管理しているつもりでいるが、実質、エンジニアの作業への妨害になっている

 

Slackおじさんとは、リモートワークにおける管理方法を、認識違いした人です。

就業時間中、ひたすら、Slackを打つことだけが仕事の人です。

それも、ほとんどが、業務に関係の無い内容なので、やり取り事態が不毛なのです。

 

そんなSlackを一日中、互いに打ち続けているのなら、なんの生産性も上げられないのは、当然ですね。

当初、見積もりでは、このSlackおじさんの相手をする、つまり、不毛なSlackを打ち続けるというタスクを見積もっていなかったので、結果として、結構、無駄な作業をやらされてしまいました。

 

身近に居るかもしれないSlackおじさんに、お気をつけください。

ABOUT ME
普通のフリーランスエンジニア マノリさん
1981年生。早稲田大学卒。秋葉原(外神田)在住。フルリモートで作業中。昼は人で溢れかえり、夜は誰もいなくなる電気街で、仕事を頑張る。趣味は、小説と散歩