リモートワーク

テレワークが流行らない理由

telework does not spread

2020年の春は、コロナウイルスのニュースが、メディアを賑わせています。

今回のコロナウイルスの影響で、多くの企業は、テレワークを推進しております。

現在、通勤を取り止めて、テレワークで作業をしている方も多いでしょう。

 

今回の件で、テレワークは、一気に、普及すると思いますか?

結論を言うと、現代日本において、一気に、テレワークが普及する事は、ありません。

 

本記事では、テレワークの普及を阻害する理由について、考察いたします。

 

 

1. テレワークへの移行が難しい人

どんなタイプの人が、テレワークへの移行が難しいのでしょうか。

結論を言うと、長年にわたって、通勤という挙動を行い続けているサラリーマン的な人です。

 

テレワークは、経験者、ベテランであればあるほど、難しいのです。

一方で、若手社員の方が、すんなりとテレワークに適応しやすいのです。

一見すると、

・経験者 => 仕事の処理能力が高い

・若手 => 仕事の処理能力が低い

と考えがちです。

それゆえに、経験者の方が、リモートでも問題なく仕事が出来るのではないか・・と思われがちです。

もちろん、若手で、全くの未経験者よりも、経験があるベテランの方が、リモートでも、仕事のパフォーマンスは発揮できるでしょう。

 

但し、ここでは、テレワークという働き方に、順応出来るか否かという点を提起します

それを踏まえると、長年にわたって、通勤という挙動を行い続けているサラリーマン的な人は、やはり、テレワークへの移行が難しい、という結論にならざるを得ません。

 

2. テレワークが流行らない理由

多くの都市型の労働者にとって、通勤という動きが習慣化されてしまっている事が、原因です。

習慣を、すぐに変える事は困難です。

特に、月日を重ねるほどに、困難は極まります。

毎日、満員電車に乗る事が、当然であった生活を、他者から、いきなり、「止めてくれ」と指図されたとしても、心と身体は、習慣に従おうとします。

意識せずとも、駅の方に、足が向かっていく・・という調子です。

 

極論を言えば、会社なり政府なりが、リモート勤務が可能な職種に対して、テレワークを強制したとしても、自主的に、通勤を試みようとする人は、一定数、存在するはずです。

その一定数とは、少数ではありません。

多数の人です。

多くの人達が、いつもと同じ時間帯に、いつもと同じ場所に向かおうとすると、結果は、言わずもがなです。

多数の人達が、乗り込んだ電車は、満員電車になります。

満員電車に乗ると、その多数の通勤者達は、”いつもと変わらぬ日常”に、組み込まれるのです。

 

3. 習慣と身体の自動化問題(テレワークと通勤の間で)

テレワークを促されても通勤を試みようとするサラリーマンが、在宅で、テレワークをやったとしても、恐らく、長くは持たないでしょう。

ふいに、通勤を試みようとします。

いつもと同じ朝の時間帯に、家を出て駅に着くと、いつもと同じ面々が、そこに群がっております。

 

自宅では、仕事が集中できない

 

中には、テレワークに対して、不平不満を述べる人も少なくありません。

確かに、在宅ワークのデメリットはあります。

しかし、その不平不満の先には、本当に、口から溢れた在宅ワークのデメリットがあるのでしょうか。

実は、長年続けた習慣を変えたくないという本心が隠れているのではないでしょうか。

 

満員電車に乗って、出社する。

長年続けた習慣は、一種の心の安寧なのです。

 

習慣を変える事は難しい

 

覚醒剤や大麻などの薬物依存者は、再犯率が高いと、よく言われます。

同様に、タバコやお酒を普段から摂取している人も、ニコチンやアルコールを断つ事は、困難です。

満員電車も同様です。

毎日、満員電車に乗って通勤をしている人にとって、其れを断つ事は、難しいのです。

 

「タバコは臭いし、昨今、周りの人から嫌な視線が投げかけられる」

「二日酔いが辛い。お金も掛かる。お酒なんて飲むものではない」

 

もちろん、これらは、正論です。

だけど、そうは言っても、喫煙者が必ずタバコを止められるとは限らないし、酔っ払いが、すぐに、断酒できるとも思えません。

 

「我々は、家畜ではあるまいし、人があれだけ押し込められた満員電車になんて、もう、乗りたくない」

もちろん、正論です。

でも、止める事は、難しいのです。

満員電車の通勤、その心地良さは、他者から止めろと言われて、すぐに止められるものではありません。

 

テレワーク初心者の興奮

 

今回の件で、初めてテレワークを経験した人に、

「1年後も、同様に、テレワークをやっていますか?」

と質問をすると、結構、即断できない人は多いでしょう。

 

テレワーク初体験で、その良さを身を以て知り、

「これから私は、通勤、一切を止めて、テレワークで働いていく」

と仰る方もおられるでしょう。

 

あくまで、それは、テレワーク初心者の一時の興奮に過ぎないでしょう。

恐らく、そのような方々は、1年も経たずとも、「通勤」の生活に戻っていくと考えます。

 

4. 今後のテレワークの普及

 

昨今、働き方改革で、リモートワークや副業が注目されてきました。

そして、今回、コロナ騒動によって、一気に、テレワークが熱を帯びました。

 

今回の件で、多くの企業が、即座に、通勤を取り止めて、テレワークに切り替えるのか、という点には、少し懐疑的です。

理由は、これまで述べてきた通り、テレワークに順応出来ない人達の存在があるからです。

しかも、少子高齢化が進む現代日本において、テレワークに順応出来ない人達の数は、生産年齢人口の中でも、多くを占めています。

これらの労働者は、自らが長期に渡る労働生活で身につけた習慣に飼い慣らされる形で、旧態依然の働き方に順応を続けるでしょう。

 

リモートで仕事が出来る職種でありながら、これまで会社へ通勤していた人達の、多くを、一気に、テレワークに切り替える事は難しいと思われます。

日本社会におけるテレワークという働き方は、今後、緩やかに普及していくはずです。

働き方を変える事に関して、ベテラン世代よりも若い世代の方が、順応し易いと考えられます。

良くも悪くも、多年にわたる経験によって身につけた(身につけてしまった?)クセを、突然、変える事は、非常に難しいのです。

したがって、テレワークは、比較的若い世代から徐々に、実践されていき、次第に社会に浸透していく流れになるでしょう。

 

5. まとめ

 

要点整理

・現代日本において、リモート勤務が可能な職種が、一気に、テレワークに移行する事は、難しい。皆が、テレワークという働き方に、順応出来るとは限らないからである。

・テレワークに順応が難しい人は、長年毎日、通勤という挙動を行い続けているサラリーマン的な存在である。長年続けた習慣を、突然変える事は困難。やはり、満員電車に乗って通勤を試みようとする。

・経験豊富なベテランよりも、若手の方が、テレワークに順応し易い。

・多くの企業が、突然、働き方をテレワークに切り替えるという事は起こらない。満員電車にしがみつく世代が一定数いる一方で、若い世代から徐々に、テレワークに移っていく形で、社会に、テレワークが浸透していく。

 

長年の習慣は、強固です。

一見、通勤が不要なテレワークは、ラクチンなイメージですが、あくまで、それは、ひとときの話です。

満員電車のサラリーマンが、テレワークを、長年続けるには、習慣が目の前に大きく立ちはだかるはずです。

そういった御方は、孤独なテレワークよりも、通勤で乗る満員電車の方に、心地良さを感じるものです。

ABOUT ME
普通のフリーランスエンジニア マノリさん
1981年生。早稲田大学卒。秋葉原(外神田)在住。フルリモートで作業中。昼は人で溢れかえり、夜は誰もいなくなる電気街で、仕事を頑張る。趣味は、小説と散歩