ソフトウェア開発

プルリクエストをAIに丸投げするエンジニアの末路【コードレビュー体験談】

プルリクエストをAIに丸投げするエンジニアのイメージ

プルリクエストが放置される経験ありませんか?原因は、AIへの丸投げによるものです。

 

チームメンバー全員にスルーされて、ずっと放置されているプルリクエスト。

あなたも見たことはありますよね。

私は、現在、フリーランスエンジニアとして、チームでの開発案件に参画しています。コードレビューを担当する中で、あることに気づきました。

読まれるプルリクエスト」と「誰にも読まれないプルリクエスト」が、明確に分かれているのです。

本記事では、その実態と対策をお伝えします。

 

AIが書いたプルリクエストの問題点

昨今、開発現場でAIを使うのが当たり前になりました。

エンジニアは、Claude CodeやCursorを活用して、AIが代わりにプログラムを書くのが日常です。

そして、プログラムだけでなく、プルリクエストの説明欄やコメントまで、AIに書かせるエンジニアが増えています。

 

コードレビューの担当者として、毎日、複数のプルリクエストを確認していると、ある傾向に気づきました。

私(レビュワー)
私(レビュワー)
あ、これ、AIに書かせたな

プルリクエストの説明欄を眺めた瞬間、AIが書いた文章であると一発で分かるのです。

AIが書いた文章は、非常に読みづらいのです。

【AIが書いたプルリクエストの特徴】

  • 文章が異常に長い
  • 箇条書きが多すぎる
  • 日本語なのに不自然な言い回し
  • 全体的に冗長で、要点が掴みにくい
  • 開発者の意図が全く伝わってこない

 

【体験談】誰にも読まれないプルリクエスト

以前、あるプロジェクトでの出来事です。

チームメンバーの一人が、プルリクエストを作成しました。

説明欄を開いた瞬間、私は思いました。

私(レビュワー)
私(レビュワー)
…これ、全部AIが書いたやつだ

長文が延々と続き、どうでもいい冗長な内容ばかりが記載されていて、こちらが欲しい情報が見つかりません。

苦労して読み終えても、自分は一体何を読んだんだ…と頭の中に何も残らないような文体です。

すぐに、次の疑問が湧いてきます。

私(レビュワー)
私(レビュワー)
そもそも、これ、仕様通りなのか?

仕様通りでなければ、レビューする意味がありません。仕様を再確認してから、最初から作り直しです。

レビュワーにとって、これほどリスクの高いプルリクエストはありません。

薄々、他のレビュワーもそれを感じ取っているのでしょう。

結果として、そのプルリクエストは誰にも触れられないまま、何日も放置されました。

 

プルリクエストが放置される本当の理由

レビュワーの立場から正直に言います。

AIが書いたプルリクエストに近づきたくない理由は、以下の4つです。

【レビュワーがAIのプルリクエストを避ける理由】

  1. 文章を読むだけで疲弊する
    AIが書いた長文は読みづらく、内容を理解するだけで大量の時間を消費します。
  2. 仕様通りかどうか怪しい
    開発者がAIに丸投げしているということは、開発者自身が仕様を把握していない可能性があります。
  3. レビューしても無駄になるリスクがある
    仕様と異なるコードであれば、レビューした時間がすべて無駄になります。
  4. プルリクエストの責任の所在が曖昧になる
    下手したらレビュワーが、そのプルリクエストの再設計や実装をやらされます。

 

プルリクエストが放置される本質:AIへの丸投げ

AIがプルリクエストを書くこと自体は、問題ではありません。

問題は、このフローにあります。

【ダメなAI活用のフロー】
仕様をAIに与える

AIがプログラムを作成する

ついでにAIがプルリクエストの説明欄やドキュメントも作成する

開発者が一切確認せずにレビュー依頼を出す

誰も読まない・放置される

最大の問題は、AIが書いた文章を、開発者が自分で推敲せずに、そのままレビュワーに投げていることです。

AI全頼りのエンジニア
AI全頼りのエンジニア
AIが作ってくれたから、大丈夫でしょ
私(レビュワー)
私(レビュワー)
(仕様を把握しているのか、この人は…)

AIは責任を負えません。

成果物に責任を持つのは、開発者(人間)です。

 

プルリクエスト放置を防ぐ対策

AIを使うことを否定しているわけではありません。

うまく活用するための対策を2つお伝えします。

① レビュー依頼前に、必ず自分の目でチェックする

AIが作成した成果物を、確認せずに、そのまま出さないことです。

プルリクエストの説明欄は、レビュワーへの手紙です。

何を変更したのか?

なぜその実装にしたのか?

大事な情報がレビュワーに伝わらないならば、それは質の低いプルリクエストです。

AIの文章をベースにしても構いませんが、必ず自分でチェック・推敲する習慣を持つことが重要です。

② チームでプロンプトを共有してAI駆動開発へ

AIに雑な指示を出せば、雑な成果物が返ってきます。

メンバー間でAIの使い方に差があると、それが成果物の精度の差になって返ってきます。

つまり、チーム全体のアウトプットの質が、AIへの指示の質に左右される時代になったのです。

だからこそ、チームで統一したプロンプトを定義しておくことが重要です。

要件定義・設計・製造・テストまで、開発の各工程でAIと協業する前提で、
チーム共通のプロンプトを整備しておくことで、成果物の品質を均一化できます。

AIを個人の道具として使うのではなく、チームの共有資産として活用する。

それが、これからのAI駆動開発の在り方です。

 

おわりに

AI駆動開発が普及した今、エンジニアの仕事の質は、AIの使い方で大きく差がつく時代になりました。

AIを使いこなす人間と、AIに使われる人間の差は、プルリクエストひとつに表れます。

誰にも読まれないプルリクエストを量産するエンジニアにならないために、AIの成果物には必ず自分の目を通してください。

AIはあくまでアシスタントです。成果物の品質に責任を持つのは、あなた自身です。

プルリクエストの放置を防ぐには、AIの成果物を必ず自分でチェックすることが重要です。

本記事が、AI時代のエンジニアとしての働き方を見直すきっかけになれば幸いです。

ABOUT ME
普通のフリーランスエンジニア マノリさん
ごく普通のエンジニア(経験20年)。早大卒。渋谷在住。フルリモートで稼働中。スタートアップとインバウンドが行き交うこの街で、AIと仲良くコードを書いている。趣味は小説と散歩と旅