【商流】8次請けの人に出会った話【SES】

SESや派遣で働く皆さん、

最深で、どのくらいまでの商流を経験されたことがありますでしょうか？

 

私は、８次請けの方と一緒に仕事をしたことがあります。

 

これほどまでに商流が深くなるとどのようなデメリットが生じるでしょうか。

 

結論を言うと、

報酬が、とてつもなく低くなります。

プロジェクト内のポジションがいくら高くても関係ありません。

自身よりもポジションが低いメンバーよりも、報酬が下になることもざらにあります。

 

簡単に、商流のおさらい

商流とは、売買などによって、商品の所有権が移転していく流れをいいます。

IT（SES）では、商品は、人間を表します。

 

クライアントが案件を発注してから、

その案件を受注するエンジニアまでの間が、商流です。

クライアントからエンジニアの間には、仲介が入ります。

 

この仲介の数が多いほど、エンジニアの手取りは減ります。

 

８次請けのエンジニアを見た（体験談）

私が、一緒に仕事をした、その８次請けの御方は、PL（プロジェクトリーダー）でした。

年齢は、アラフィフ（５０歳前後）くらい

 

大手の電機メーカー向け、業務系システムの開発案件でした。

 

プロジェクト内のポジションも高く、

何よりも、かなり技術力が高かったことを覚えています。

 

プロパーの人達からも一目置かれる存在で、

その人がいなければ、プロジェクトが回らないくらいでした。

 

その時、新人だった私にも、

別会社でありながら、色々とご教示頂き、尊敬すべき先輩エンジニアでした。

 

或る日、仕事帰りに、一緒に飲みに行く機会がありました。

話題は、何気に、報酬の話になりました。

 

これだけ、技術力が高いエンジニアです。

新人の自分が目指すべき存在です。

 

一体、どのくらい貰っているのでしょうか。

嫌がる素振りもなく、すんなりと教えてくれました。

 

・年齢５０歳前後

・PL（プロジェクトリーダー）

・高スキルエンジニア

 

その額は、

月収、１５万円

でした。

 

間違いなく、月収１５万円でした。

 

詳しく聞くと、仲介業者がたくさん入り込んでいて、

結果的に、８次請けで、やっていると伺いました。

 

クライアントが超大手企業、且つ、リーダーポジションです。

 

今でこそ思いますが、

少なくとも、１００万以上は、この人に支払われていたはずです。

どこかで、抜かれて抜かれて、

最終的に、この男性の手元に入るのは、１５万円、ということです。

 

新卒以下の報酬だった。。

当時、新人だった私の給料は、正社員で、３０万円くらいでした。

 

この８次請け男性は、どうやら個人事業主のようでした。

 

 

こんな不条理な状況になっていました。

 

新人である私は、当然、大した仕事をやっていません。

かたや、技術力が非常に高い、この８次請け男性のもとには、タスクが集中します。

 

商流が深いという事情で、

スキルが高く仕事もバリバリこなせているのに、

新人以下の報酬になっていました。

 

８次請けの結末は…

この８次請けの男性、その数ヶ月後、プロジェクトを離れました。

 

理由は、

「生活ができないから」

とのこと

 

この御方が、辞めると、プロジェクトに大きな支障が発生します。

辞めるのに、苦労されていたと聞きました。

 

クライアントや仲介に、引き止められたそうです。

 

私は、

クライアントに、もっと報酬を上げてくれるように頼むのはいかがか？

と提案してみましたが、

 

クライアントから、この男性（の会社）に支払われている金額が、

既に予算限界だったらしく、これ以上の交渉は難しいと言われました。

 

それだけの額を支払われていても、

この男性の元には、入ってこないわけですから、

働いている方にとっては、たまったものではありません。

 

中間マージンを抜いている仲介への交渉を勧めましたが、

支払額を増やすことは、難しいと突っぱねられたそうです。

 

それならば、もう辞めるしかない、とのことです。

 

おわりに

もう一度、比較して、終わりにします。

 

 

 

きちんとしたスキルをお持ちでフルタイムで働いていて、

生活が厳しいから辞めるって…

どんな理由だろう、と思ってしまいました。

 

エンジニアが、稼ぐためには、

スキルを高めるだけでは足りません。

商流にも、意識を向けましょう。