フリーランスのエンジニアをやってます。
自分は、エンジニアに「向いている」のか?「向いていない」のか?
新人や転職希望の方から、このような質問を受ける時があります。
結論を言うと、エンジニアという職業において、「向いている」「向いていない」は、ほとんどありません。
具体的に言うと、
- 開発業務をするうえで、スキル的な理由での「向き」「不向き」は無い。
-
エンジニアという仕事に対して、感情面での「向き」「不向き」はある。
と考えます。
目次
エンジニアは、誰にでもできる仕事
箇条書き的に、「エンジニアに向いている人」「エンジニアに向いていない人」を、まとめているサイトがあります。
そのようなサイトでは、大体、以下の書かれています。
- 論理的思考力がある
- コミュニケーション能力が高い
- 学習意欲がある
- メンタルが強い
ちなみに、エンジニアとして働いている者からすると、これらは、誤解と分かります。
論理的思考力が必要 => 【実際は】無くても問題ない
必須ではありません。
仕事を通じて、嫌でも、身につけられるスキルです。
コミュニケーション能力が高い => 【実際は】口下手でもOK
コミュニケーション能力が低くても問題ありません。
口下手でも、開発の仕事はできます。
コミュニケーション能力を高めたいのなら、仕事を通じて、身につけられます。
学習意欲が必要 => 【実際は】勉強しなくても問題ない
「技術は日進月歩」
「エンジニアは、常に、勉強をやり続けなければならない」
これらも、よく聞く話ですが、特段、肩肘張って勉強をしなくても、エンジニアの仕事をする分には支障ありません。
最初に、核となる部分をやってしまうと、あとは、その財産で、やっていくことは可能です。
もちろん、勉強して知識を増やせば、業務の幅は広がるかもしれませんが、そもそも、日本のシステム開発業界は、経験者を求めています。
日本のIT業界の大半は、エンジニア人材を売って商売をしている事実が、それの証左です。
独学していますといくら訴えても、クライアントは、それをさほど重視してくれないでしょう。
結局、最初に少し覚えた知識やスキルを、使い続けるような事態になりやすく、ゼロから新しいことを勉強しなければならないような機会は、意図的にその状況に持っていかない限り、訪れないでしょう。
むしろ、エンジニアとして働いている人で、勤勉に日々勉強している人の方が少数です。
これもエンジニアに限った話ではなく、普通に日々、会社員として働いていると、勉強時間を捻出しづらいからです。
そもそもが、エンジニアにとっては、「業務=知識習得・スキル向上」なので、無理に勉強時間を作らなくても、まったく問題ありません。
業務外のことを勉強したい人は、すればいいし、したくない人や忙しい人は、無理にする必要はありません。
強メンタルが必要 => 【実際は】就労環境が改善されている
エンジニアと聞くと、深夜残業当たり前のようなイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、それは、一昔前までの話です。
私も新人の頃は、会社に泊まり込んでリリース前の作業をしたりしていましたが、最近では、このような話を聞く機会が激減した印象があります。
近年の開発案件の環境は、昔よりも、改善傾向にあるような感覚があります。
もちろん、メンタルが強いに越したことはありませんが、必ずしも、「エンジニア=強メンタルが必要」というわけではありません。
それに、メンタル云々の話は、どの職業でも当てはまると思います。
エンジニアは、クリエイティブな仕事ではない
エンジニアと聞くと、クリエイティブな仕事のイメージを持つかもしれませんが、実際は、決してそんなことはありません。
「既に在るもの」を利用して、設計や開発業務を行うのがエンジニアの仕事です。
(設計は、少し頭を使うかもですが、それも、パターンがあります)
完全なる無から有を作り出すような、0→1の仕事ではありません。
つまり、既存の技術の使い方を覚えて、使いこなせるようになればよいだけなので、それほど、少し学べば、誰でもできます。
自動車の運転みたいなものです。
能力が低いからエンジニアとして働けない、素質がないからできない、という話は、誤解です。
本当に、エンジニアに向いていない人
それは、以下の通りです。
- デスクワークが大嫌い
- ITに嫌悪を覚える
ここまで来ると、エンジニアをやらない方がいいでしょう。
エンジニアに不向きの理由は、スキル面というよりも、個人の性格や感情面が大きいのです。
「スキル面」と「性格や感情面」を混在して評価するのではなく、論理的思考をはじめとしたスキルの側面は、研修や業務を通じて、いくらでも改善できます。
そんな瑣末な理由で、エンジニアを諦める必要は、まったくありません。