副業ブームですね。
フリーランスでシステム開発をしていると、案件によっては、チームを組んで対応する場合もあります。
「副業です」
そう仰る会社員の御方と一緒に仕事したこともあります。
それも、一回ではなく、三、四回はあります。
或る社長さんが、お打合せをした時、
「副業的思考のある会社員の労働力を、積極的に活用したい」
と仰っていた言葉が耳に残っています。
いずれの時も、
会社員の副業は、これからも需要が上がっていく。
という意見が、大勢のような気がします。
しかし、なんだか、こういった見解に触れる度に、心の中が痒くなる思いもします。
この副業推進の流れは、良い傾向なのか……
副業会社員と一緒に仕事をした話
先述の通り、私は、副業的な会社員の方々とお仕事をさせていただく機会が何度かあります。
超大手〇〇企業勤務とか、素晴らしい経歴の持ち主が多くいらっしゃいました。
これだけ素晴らしい経歴の持ち主です。玉石混淆のフリーランスに比べると、さぞかし、高パフォーマンスが保証されるのだろう。
と、わたしも最初は考えておりました。
が、
蓋を開けてみれば、
必ずしもそのようなハッピーエンドにはなりませんでした。
まず、この話の前提として、
会社員の「副業」ということです。
「副業」があるならば、「本業」があります。
本業は、副業よりも多くの時間を費やします。
正社員ならば、
9時〜17時、10時〜18時、あるいは、11時19時という決められた時間の間、
決められた場所で、業務に、あたります。
8時間就業+2時間くらいの残業時間は、見ておいた方が良いでしょう。
これに、ドアツードアの通勤時間を、1時間、加えます。
ここまで書けば、もうお判りだと思います。
フリーランスの私が、
副業的な会社員の方々と、チームで一緒に働いた場合、
すべて、次の法則に当てはまりました。
副業的な会社員の方々は、本職を終えた後、あるいは、本業をしていない時に、副業をする。(当たり前の話ですね。。)
つまり、平日日中に本業をしている会社員の方々は、夜や早朝に副業をする、ことになります。
(もっとも、このような状況下でも仕事をしようという志はスゴイと思いますが。。)
フリーランスである私は、
お客さんの就業時間である平日日中に合わせるように、
平日日中に稼働していました。
平日日中は、お客さんやチームのフリーランスの方々と常時連絡を取り合いながら、
業務を進めていました。
一方で、副業で参画されている会社員の方々には、
平日日中、一切、連絡が付きませんでした。
その代わり、早朝に、着信やチャット履歴が大量に入っています。
受信時間は、深夜2時から4時くらいです。
朝、8時くらいに折り返し、電話をかけるなりチャットの返信をするのですが、もう連絡が付かなくなっています。
それから、また日中連絡が付かなくなり、次の返答は日付が変わりお客さんもチームのメンバーも私も、眠っている深夜にやってくる、
というデッドロックのようなループに陥ります。
すると、どうなるか。
想像は、容易いと思います。
副業的な会社員の方だけ、進捗が芳しくなくなりました。
業務委託契約なので、成果が出せないのは、当人の責任ということになります。
しかし、チームで開発を進めている為、仕事の性質上、他の方と連携が必要な場合も発生します。
すると、一人の問題がチーム全体の問題をもたらすということも、往々にして生じます。
現に、この副業的な会社員の進捗遅延を、私や他のメンバーで、カバーしていました。
当然、気分のいいものではありません。
或る日の夜のことです。
私の自宅件事務所の玄関のチャイムとドアを叩く音によって、
私は叩き起こされました。
時計は、夜中の2時でした。
玄関ドアの小さな穴を覗くと、件の副業的な会社員の方でした。
近所迷惑を考えて、そろりと扉を開けると、隙間から夜の空気が頬を撫でるのも忘れさせるほどに、激昂しています。
「なんでお前は、おれが何度も電話しているのに、出ないんだ」
そして、この男、スマホを取り出して03から始まるお客さんの会社に、電話を掛け始めました。
耳にスマホを当て、眉間に皺を寄せています。
「なんで、電話に出ねーんだ」
と大声をあげました。
繰り返しますが、時刻は、夜中の2時です。
私は、
「連絡がつかないとは心外だ。日中に連絡をしても一切連絡がつかないのはそちらではないか」
くらいのことは言いました。
すると、
「仕事とは命をかけてやるものだ。俺は仕事に命をかけている。24時間、寝ずに仕事のことだけを考えて人生を生きている」
と言い返され、より一層、激昂する始末でした。
私の住んでいるマンションのすぐ近くに交番があります。
深夜に近所迷惑なので、そこに向かいました。
すると、会社員は、踵を返し、どこかに行ってしまいました。
恐らく、タクシーを拾って自宅に戻ってのかと。
私は、夜中の3時前に、なんでこんな目に合わなければいけないんだと、呆然としました。
結局、この会社員は、連絡がつかなくなってしまいました。
経歴は優秀だったそうです。
このような御方は極端ですが、
他の案件でも、副業的な会社員の方と連絡が取りづらくなるという、不具合は少なくありませんでした。
上記で挙げた副業的な会社員の方は、
所詮は、副業、という理由で、
副業という扱いの仕事を、軽く見ている節があるのかもしれませんね。。
もちろん、みんながみんな、こんないい加減な人ではないことは、申し添えておきます。
それにしても、この御方、いつ眠っていたんだろう。。