フリーランスにとって、
契約書に、しっかりと目を通し、内容を理解したうえで、
クライアントと契約することは最も重要です。
確かに、契約書は、非常に硬い文面であり、
読むのに辟易してしまいますが、絶対に、疎かにしてはいけない作業です。
これは、受注した後に行う仕事以上に、大切な作業です。
とんでもない契約書が出てきた話(体験談)
クラウドソーシングではなく、soho系の求人サイトを見ていて、良さ気な案件を発見しました。
自分のスキルにマッチする案件で、早速、面談の運びとなりました。
新宿にあるその会社は、
中小企業でしたが、受託した案件は、超大手企業の案件らしく、
うちのような小さな会社が、まさか受注できると思っていなかった、
と社長さんは喜んでいました。
もう一人の同席していた、技術責任者の方と、
実務的な会話をして、
互いの希望を伝えて、あっさりと採用という結果をいただきました。
しかも、
単金や支払いサイト等々、
私の希望をほぼ受け入れてくれました。
社長さんは、あなたの単金は高いけど、まあ、仕事をきちんとやってくれるなら、お支払いするよ、
と事あるごとに言っていました。
ここまでならば、
まあ、良い案件を受注できた、めでたしめでたし。
という話ですが、問題はここからです。
面談を終え、採用連絡後、別日に、契約をしたいからまた来てくれないか、
と、この会社に、呼ばれました。
契約など、
メールや郵送でやり取りをすれば、済む話ですが、
なぜか、来てくれとのことでした。
行ってみると、
契約の話ではなく、案件に対する、コンサル的な仕事を、その場で、する羽目になりました。
且つ、この日、契約についての話は全く出てきませんでした。
このコンサル的な仕事が、短い時間ではありませんでした。
当然、契約前です。
がっつり、タダ働きをさせられた感じです。
途中、私は、タダ働きを恐れ、
「作業は、契約後にお願いできますか」
と申し出ました。
すると、
この分もお支払いすると言われ、仕方無く、結果的に、働かされました。
その時、
同席したのは、「社長」と「技術責任者」の二人です。
両方、オジサン(お爺さん?)で、
自分の会社が、受注した案件であるにもかかわらず、
案件の内容を、よく理解ができていないような状態でした。
特に、ひどかったのが、
「技術責任者」で、
この方、技術をほとんど分かっていないような感じでした。
ほとんど、技術の会話が成立しない状態だったので、
この方と仕事をすると、苦労するだろうな、ということは目に見えました。
そして、社長。
事あるごとに、
「君を信用していいのか」
「君は信用できるのか」
を繰り返して聞いてきました。
おまけに、この打ち合わせが終わって帰り道、
この社長から、
「君を信用しても本当に大丈夫なんだよね」
というメールが届きました。
中小零細企業に、無知な担当者。
どう考えても、完全にヤバい要素が揃っています。
私の方こそ、この社長と技術責任者を、信用できるのか疑わしくなってきていました。
それから、漸く契約書が届きました。
契約書到着
契約書の内容を見て、閉口しました。
そのままの文章ではありませんが、次のような文面が記載されていました。
「甲(会社)が、乙(私)を信用できないと判断した時、いつでも契約を解除することができる」
「契約を解除した場合、振り返って、稼働初日から解除時点までの支払いは不要とする」
これ、恐ろしいですね。。
とても危なくて仕事になりません。
しかも、
私が希望していた30日の支払いサイトが、
しれっと、60日サイトに変わっていました。
この契約では、かなり恐ろしいことが起こる可能性があります。
それは、次のような事態です。
例えば、
7月1日から稼働開始をすると、支払いは、9月30日、になります。
7月稼働して、
8月稼働して、
9月29日に、この社長が、「なんかあいつ気に食わないな」と言えば、
もう報酬の支払いがないということになります。
フリーランスを、3ヶ月タダで働かせることが可能です。
そのまま、トンズラです。
ちなみに、本案件は、大凡、3ヶ月で完了すると伺っていました。
とすると、上記のフローが成立してしまいますね。
この会社にとっては、メリットしかありません。
勘ぐってしまいますね。
加えて、契約書には、
「委託した案件が完了しなければ、損害補填として、上限なしで、乙(私)に金銭を請求できるものとする。金額は、甲(会社)が決定する」
無茶苦茶ですね。
仕事以前の話です。
これは、仕事にまで行き着かない仕事です。
本案件、辞退しました。
結局、半日間、タダ働きは、させられてしまいましたね。
まあ、被害が少なくてよかったと思っています。
それにしても、
この、技術責任者のオジサン、どうやって、案件を進めていくんでしょう。
とても、この人が成せるとは、思えません。
まあ、どうでもいいことです。
近づかないに越したことはありません。