正社員として入社した際、「試用期間」が設けられている会社は少なくありません。
派遣社員の場合も「試用期間」が用意されています。
派遣社員では「お試し期間」という言い方がされる場合もあります。
この派遣社員の「試用期間」中であれば、派遣社員側は、就業規則を無視して、退職する事ができるという決まりになっています。
以前、派遣エンジニアとして就業していた時、「試用期間」中に、退職の意思を示した事がありました。
結論を言うと、
なぜか、なかなか、簡単に、辞められませんでした。
派遣社員の試用期間
労働基準法では、派遣社員の試用期間は、2週間(14日)と定められています。
この試用期間であれば、
・企業側は、正当な理由があれば、派遣社員を解雇する事ができる
・派遣社員側は、就業規則を無視して、退職する事ができる
ということになっています。
ざっくりいうと、企業と派遣社員、互いが、職場に合うか見極める期間と言えるでしょう。
双方の「お試し期間」という言い方をする方もいらっしゃいます。
派遣エンジニアが試用期間で辞めようとしたら・・
以前、派遣エンジニアとして就業していた時、試用期間で退職を申し出た事がありました。
その時は、
・現場が、完全に体育会系のノリで、自分と合わないと感じた
・並行して進めていた他社案件が決まった
・参画した案件は、まだ試用期間中だった
という状況だったので、試用期間終了後の退職を決意しました。
え?
耳を疑いました。
派遣会社は、試用期間での終了を受け付けてくれませんでした。
派遣会社としては、派遣の試用期間中に、派遣に辞めてほしくない、という事でしょう。
当然、派遣会社からクライアントに、試用期間で契約終了の件は、あがっていないようでした。
しかし、そうこうしているうちに、試用期間終了日は迫ってきます。
派遣先のクライアントは、試用期間終了後も、この派遣社員は続けてくれるのだろう、と思っているようでした。
試用期間終了日の直前になって、契約延長しないという話を切り出すと混乱が顕在化します。
私は、営業に、何度も、試用期間での終了を伝えましたが、営業は、ダメですの一点張り。
派遣会社と会話をしていても埒が明かないので、
或る日、現場で、クライアントから契約延長の話を切り出された時、
正直に、クライアントに直接、試用期間で終了する意思があるとお伝えしました。
すると、
すぐに、クライアントから派遣会社に、その試用期間で終了するという話が伝わったのでしょう。
派遣会社が、クライアント企業にやってきて、私は呼び出され、ミーティングスペースで、契約延長をしてくれないかと、一時間、説得をされました。
クライアントからも「すぐに辞められては困る」や「根性が足りない」といったお叱りを受けました。
結局は、2週間の試用期間満了して、その現場を離れる事が出来ました。
だけど、最終日まで「契約延長してくれないと困る」「あなたは、クライアントや派遣会社に迷惑をかけているんだぞ」といった説得や説教が続きました。
試用期間で辞められましたが、非常に後味の悪い現場になりました。
派遣の試用期間、2週間以内であれば、企業側は解雇、派遣社員側は退職、双方が一方的に、契約解消のような手続きが可能。
そうはいっても、派遣社員側からの退職(試用期間での契約終了)は、なかなか、簡単には、辞められませんでした。
その一方で、
この2週間の試用期間で、企業側が使えないと判断された派遣社員は、簡単に、切られてしまいます。
企業側は、派遣社員を簡単に解雇する事ができるのに、派遣社員側から、企業を辞める事は許してくれない。
労働基準法では、
派遣の試用期間において、企業側と派遣社員側、双方の権利が、対等の力関係にあるように見えてますが、
企業側と派遣社員は、対等になっておらず、派遣会社とクライアント企業の共犯関係により、企業側の方が優位になっているのです。
派遣社員は、試用期間で、辞める事が認められています。
派遣会社やクライアントの意見に流されずに、しっかりと自分の意思を示す事が要諦であると考えます。