「主婦の方と働く」
と聞くと、どんなイメージを持ちますでしょうか?
スーパーのレジ打ちなど、パートで働く姿を思い浮かべる方が多いと思います。
私は、以前、システム開発の現場で、主婦の集団と、一緒に働いた事があります。
その開発チームは、
私を除いて、それ以外のメンバーは、全員、主婦の方達でした。
(主婦は、5名)
その当時、システム開発業務経験が5年ほどあった、私は、取締役から、そのチームのリーダー的ポジションを仰せつかったのですが、
メンバーである主婦の方々は皆、もれなく、高スキル、スペシャリストぞろいでした。
したがって、リーダーとして管理する側の私が、高スキル主婦集団に、逆に、管理されるような状態になっていたので、当時、非常に複雑な心境でした。
高スキル主婦集団と一緒にシステム開発の業務に携わった経緯や労働市場における主婦という存在について書きたいと思います。
技術部門(エンジニア)が全員主婦の会社
エンジニアというと男性のイメージが強いと思いますが、
私が契約社員として入った、この会社の技術部門(エンジニア)は、全員が女性で、かつ、主婦の方々でした。
しかも、エンジニア職の主婦の方々は、まったく、エンジニア然としておらず、スーパーのレジで働く、普通のパートタイマーのようであった為、それまで、SIerで、全員男性エンジニアの現場で、働いていた私にとっては、不思議な感覚でした。
まずは、次のことが気になります。
どうして、エンジニアが全員、主婦なのか?
人事を担当していた取締役に聞きました。
すると、意図的に、主婦の人材を採用している、とのこと。
取締役「主婦の中に埋もれている優秀な人材を、うちの会社で採りたい」
一緒に働いていた、主婦エンジニアの方達と話をすると、
開発職に限らず、日本は社会的に、「主婦」というだけ就職や転職が厳しい
と口々に、仰っていました。
企業側にとっては、主婦は、フルタイムで働いてくれなさそう等の理由で、敬遠されがちなのかもしれません。
自分は、当事者ではないので、当事者の悩みや苦しみをそっくりそのまま理解することは困難です。
人事担当の取締役曰く、
「主婦といっても、優秀な人もいればそうでない人もいる。日本の企業は、主婦というだけで採用を控える傾向がある為、その分、うちの会社で、優秀な主婦の人材を獲得できるから非常に助かっている」
確かに、求職者の詳細を見ずに「主婦」と一括りにして、不採用とする企業は少なくないように思えますね。
もちろん、「主婦」の中には、さまざまな人がいるわけなのです。
他の会社が採用しないから、うちの会社で採る。
この「主婦」という人材に目をつけた、この会社の取締役は、慧眼があるように感じました。
というのも、この会社に採用された主婦の方々は、全員、高スキル、スペシャリストばかりだったからです。
メンバー全員が高スキルエンジニアだった
全員がシステム開発経験者で、なかには、元大手企業のプロジェクトマネージャー、理系の大学院卒・・その他のメンバーも、システム開発に長けた方々ばかりでした。
私は、これまで、SESや派遣等で、多くのプロジェクトの開発チームに参画し、エンジニアを見てきましたが、(こんな言い方はおこがましいですが)この主婦チームが、圧倒的に、優秀でした。
リーダーポジションの私は、技術支援や進捗管理をしなければならないのですが、高スキルエンジニアを前にしては、まったく、役に立っていませんでした。。
企業は、主婦という肩書きを持つ高スキルの人よりも、なんとなくフルタイムで働いてくれそうな人の方を評価するのだろうな、
日本らしいと言えば日本らしいですが。。