先日、ようやく、令和2年分の確定申告を終えました。
昨年までは、「やよいの青色申告オンライン」というソフトを使って、青色申告決算書や所得税の確定申告書を作成・印刷し、管轄の税務署に出向き、書類を提出していました。
しかし、青色申告特別控除が、今年から改正されました。
・e-Taxで申告をした場合、65万控除
・紙で申告をした場合、55万控除
e-Taxで申告で申告をすれば、これまで通り、65万控除となりますが、
紙で申告をすると、なんと、55万控除。10万円も控除額が減額されてしまうのです。
私は、もちろん、e-Taxで申告をしました。
しかし、初めてのe-Tax。
申告完了まで、とてつもなく苦労しました。。
それについて、書いておこうと思います。
目次
e-Taxでは、2つの申告方式がある
さて、e-Taxで申告をしようと、早速、e-TaxのWebサイトにアクセスすると、なにやら、電子申告をやるには、次の2つの申告方式があるとのことでした。
・マイナンバーカード方式
・ID・パスワード方式
ちなみに、私は、色々調べて、ID・パスワード方式で電子申告をしました。
マイナンバーカード方式
「あ、そういえば、マイナンバーカード持っていたな。『マイナンバーカード方式』で申告しよう、っと」
しまってあった、マイナンバーカードを持ってきて、e-Taxをやろうとしたら・・できません。
そうなんです、私が持っていたのは、『マイナンバーカード』ではなく、『マイナンバー通知カード』でした。
私は、てっきり、『マイナンバーカード』 = 『マイナンバー通知カード(紙)』と思っていましたが、実は、これらは別物のようです。
(恥ずかしながら知りませんでした。。)
・マイナンバーカード
=>運転免許証みたいなICが埋め込まれたカード。交付申請することで取得できる
・マイナンバー通知カード
=>自治体から郵送で送られてきた、紙のカード。個人番号の記載がある
でも、通知カードがあれば、個人番号が分かります。
e-Taxで、マイナンバー通知カード(紙)の個人番号を入力すれば、電子申請をすることができるのでは・・と淡い期待を寄せたのですが、これは、出来ないようです。
マイナンバーカード方式で申請をするには、別途、ICカードリーダーを準備する必要があり、このICカードリーダーに、マイナンバーカードを読み込ませて、申請を行なうとのことです。
つまり、マイナンバーカード方式で申請を行なうには、次の2つを用意しなければなりません。
- ICカードリーダー
- マイナンバーカード(紙の通知カードではない)
ICカードリーダーは、ヨドバシに行けば、すぐに手に入るでしょう。
(確定申告をする為に、なんでお金を使わなければならないんだ、という思いはありますが)
マイナンバーカードは、交付申請が必要です。
私は、マイナンバーカードの交付申請の手続きを調べて、絶望しました。
マイナンバーカードは、申請から受け取るまで、1ヶ月程度、掛かるようです。。(なぜ?)
この時点で、私は、マイナンバーカード方式での申請を諦めました。
ID・パスワード方式
国税庁は、現今の新型コロナウイルスの時世を踏まえて、税務署に直接来ずに、電子申告の活用を推奨しています。
私は、ID・パスワード方式で申請をしようと思い、早速、税務署に足を運びました。
?
そうなんです。
e-Tax(ID・パスワード方式)を利用するには、税務署に直接行かなければならないのです。
うーん、これなら、もう紙で対面提出で良いのでは・・
この時点で、なぜ、対面申告なら55万控除で、電子申告は、65万になるのか、よく分からなくなってきました。
税務署の職員の人に、身分証明書を見せて、ID・パスワードを発行してもらいます。
そのID・パスワードを使って、e-Taxにログインし、申請手続きを行ないます。
e-Taxと会計ソフトの連携に頭をかかえる
税務署に行き、ID・パスワードを発行してもらい、ようやく、e-Taxを使うことができます。
しかし、そう簡単には、いきませんでした。
最初に書きましたが、
私は、やよいの青色申告ソフトで、売上や経費等を管理しております。
やよいの青色申告オンラインは『マイナンバーカード方式』は対応しているが、『ID・パスワード』には非対応とのことでした。
恐らく、『マイナンバーカード方式』ならば、入力済みの会計ソフト内のデータを、e-Taxの方に、一括インポート的な事が可能なのでしょう。
しかし、『ID・パスワード』は、非対応。。
ということは・・
会計ソフトに入力した内容と同じ内容を、e-Taxにも入力していかなければならない、ということです。
しばらく、途方に暮れました。
仕方ありません。
世の中がそういう仕組みだと諦め、データ入力に着手します。
e-Taxの画面が、なぜか、真っ白になる
e-Taxでフォームの入力を終えて、「次の画面に行く」等のボタンを押下した時、結構な確率で、画面が真っ白になり、操作不能に陥ります。
一見、「ロード中かな」と思えなくもないのですが、いつまで経っても、画面が表示される気配はありません。
(e-Tax利用者なら、何度か経験があると思います)
実は、これの解決策は、ブラウザで右クリックして、画面をリロードすれば、直ります。(それでも画面が表示されなければ、もう一度、右クリックでリロード)
当初、このやり方を知らなかった私は、画面が真っ白になったら、一旦、ブラウザを閉じていました。
もちろん、この場合、さきほど、入力した内容は、保存されていません。もう一度、同じ内容を入力することになります。
同じ画面で、何度も何度も、画面が真っ白になった事があります。
右クリックでリロードを知らなかった時は、その都度、入力をし直していたので、いよいよ、発狂したくなりました。
ITとは、一体なんだろう
データ入力(e-Tax)をしながら、ふと考えました。
・繰り返しの作業を自動化することがIT(システム)の役割のはず。でも、なぜか、e-Taxは、何度も何度も同じ作業を強いられる。
・e-Taxは、IT(システム)なのだろうか。
・なんで、国税庁は、このポンコツなシステムを採用したのだろうか。
・もしかしたら、税務署に出向いて、紙で提出するのが、一番効率的なのではないだろうか。
・e-Taxを採用した人は、「非効率な事でも、コンピュータを使ってやれば、ITである」と、勘違いしているのではないか。
提出後、確定申告書の控えが手に入らない謎
そんなモヤモヤを考えながら、とりあえず、
・青色申告決算書・収支内訳書
・所得税の確定申告書
の作成が完了しました。
(「消費税の確定申告書」は、後ほど対応予定)
e-Taxソフト(WEB版)の受信トレイを確認すると、受信通知のメッセージが届いていました。
税務署に行って紙で提出する場合は、職員の人が、確定申告書に受領印を押してくれますが、e-Taxで申告した場合は、この受信通知が受領印の代わりになるようです。
申告完了後、もう一苦労が、ありました。
それは、申告した確定申告書の控えをPDFで、ダウンロードをしようと思ったのですが、できなかった事です。
申告完了画面にも、それらしき操作は見当たりませんでした。
受信トレイを見ても、所得税の支払い金額の連絡は来ているのですが、肝心の、申請した確定申告書の控えに関する連絡は来ていませんでした。
まさか、確定申告書の控えがダウンロードできない、ってことは無いですよね。。
で、色々調べてみると、e-Taxで申請した場合、確定申告書の控えを受け取ることができないようでした。
「確定申告書のデータ」と「受信通知」の二つが、確定申告書の控えの代わりになるとのこと。
なんだ、これ。。
はじめて、e-Taxを使った所感
e-Taxって、広まらないだろうなー
これが、初めてe-Taxを使った者の感想です。
青色申告は、電子申告を使った場合のみ、紙での申告よりも、10万円多く特別控除されるお得感があるかもしれませんが、同時に、使いづらさという、10万円分のストレスを感じなければなりません。
ましてや、非青色申告者ならば、無理して、こんな使いづらいシステムを使う必要はないでしょう。
エンジニア視点では、よくもまあ、こんな使いづらいシステムを作ったものだ、と閉口します。
持続化給付金の申請サイトは、非常に使いやすかった事を覚えています。
e-Taxも、これから改善していき、もっと使いやすくなって欲しいと思っています。