都心在住でフリーランスをやっていると、ほぼほぼ、満員電車に乗らなくなりました。
満員電車はおろか電車自体に乗らなくなりました。
すると、或る日、満員電車に、乗ることができなくなりました。
甘えではなく、もう、乗ることが出来ないのです。
なかなか、この感情を、言葉で表すことは、難しいのですが。
これを、考えていたら、「中毒」という言葉がしっくりときました。
日常に潜む中毒や依存
ネットやテレビでは、違法薬物を使用して逮捕された芸能人が、センセーショナルに報道されています。
同時に、一度使用したら止めることが非常に困難であると薬物依存の恐ろしさも伝えられます。
薬物は論外ですが、
「中毒」や「依存」は、大なり小なり日常の中に溶け込んでいます。
身近なものだと、
カフェイン、酒やタバコ、ギャンブルなどがすぐに思い浮かべられるでしょう。
いずれも、一度ハマると、それから抜け出すことは困難なのは、想像に難くないです。
私は、タバコやギャンブルは一切やりませんが、コーヒーはよく飲みます。
かつては、週末に嗜む程度ですが、酒も飲んでいました。
しかし、フリーランスになって、酒は止めました。
週1〜2日程度の飲酒ですが習慣化されていたので、週末になると、どうしても飲みたくなる衝動が湧いてきました。
断酒を決意してから、1ヶ月くらいはありました。
断酒を経験した事のある御方になら、同意いただけるような衝動だと思います。
そして、時の経過とともに、段々と、酒への渇望も薄くなっていきました。
結局は、飲まないのですが、
「飲んでも飲まなくてもどっちでもいいや」
という感覚に至りました。
そして、或る日。
完全に飲まなくなって飲みたいとも思わなくなった時期に、ふと、人付き合いで、ビールを口につける機会がありました。
すると、
苦いんですね。
子どもが初めてビールを口にした時のような、あの味覚です。
苦いんです。
とても、飲めたものではありません。
私はすぐに引っ込めました。
満員電車依存症
これと近しい経験が、
長らく乗っていなかった、満員電車にありました。
都心に住み、
フリーランスになり、
全く満員電車に乗らなくなって、
一年くらいが経ちました。
或る日、
電車に乗ることになりました。
それが、朝の満員電車の時間帯でした。
先ほどの酒と同じ理論ですが、
乗れないんですよね。
満員電車に
なぜなら、
人がいっぱいなので
でも、みんな、当然のように満員電車に乗り込んでいくんですよね。
隙間もないような、過密空間に自分の身体を押し込んでいきます。
恐らく、「乗り慣れている」んだと思います。
「乗り慣れていない」人が見ると、乗れないと思ってしまいます。
乗り込む隙間が、ないように見えるのです。
かつて会社員をしていた時、毎朝、この満員電車に乗り込んでいたことを考えると、
かつての自分と今の自分が、同一人物であることに懐疑を抱きました。
満員電車。
さも、当たり前のように。
でも、当たり前ではない、と思います。
乗れないんです。
だって、人がたくさん乗っているから。
かつては、中毒や依存症だったのかもしれません。
それが解かれただけなのかもしれません。