フリーランスエンジニアをやっていると、様々なクライアントに出会います。
常に、危なそうなクライアントには、近寄らないように気をつけています。
悪質なクライアントに関わると、お金と時間の無駄ですから。
以前、とにかく安く案件を発注する為に、若手エンジニアを求めているクライアントに会った事があります。
そのクライアント曰く、若手エンジニアは、喜んで安い案件を引き受けてくれると言います。
発注額が、タダ働き同然の金額だった
フリーランスエンジニアを始めたばかりの頃、
フリーランスエンジニア向けの求人サイトで掲載されていた案件に応募し、面談の運びになりました。
面談場所と時間を指定され、クライアント企業に伺うと、70〜80歳くらいのお爺さんが現れました。
頂いた名刺には、代表取締役と書かれていました。
案件内容は、業務系のWebシステムの開発案件で、詳細を伺うと、対応が出来そうな印象を受けました。
直後、単金や予算の話に移ったのですが、これが、びっくりするほど安価でした。
確か、この案件は、PHPを採用した開発案件だったのですが、
時給換算すると、100円、200円…程度になってしまう予算を提示されました。
驚愕の安さですよね。。
しかも、このお爺さんクライアント、「時給100円だけど、どうかな」とあっけらかんと言ってきたので、私は、閉口しました。
冗談では無さそうです。
そもそも、このお爺さんクライアントの案件は、受託案件でした。
つまり、エンドからこのお爺さんクライアントの会社に発注されている金額は、安くはない金額のはずです。
その自社で受けた案件を、時給100円で、下請けに発注するのですから、このお爺さん、間違いなく、9割以上ピンハネしているでしょう。
果たして、こんな条件で引き受けるエンジニアはいるのでしょうか。
老害クライアントが若手エンジニアを求める理由
もちろん、私は、この案件を断りました。
すると、このお爺さんクライアント、私の年齢(当時、30代半ばくらい)を確認した後、
「実は、この案件は、20代前半の若い人、大学を卒業したばかりくらいの人にやってもらいたいんだ」
って、言い出しました。
「若い子だと、勉強がてら、ただでも、仕事を引き受けてくれる人もいる」
さらには、
「ただでも、プログラミングの勉強ができる場を与えてあげているんだから、感謝してほしいくらいだよ」
なんて事も、言い出しました。
このクライアントと話をして、私は、考えさせられました。
タダで、仕事をさせたい、老人
タダで、仕事をして喜んでいる、若者
老人と若者が、共犯関係になる事によって、
低報酬、タダ働き、過重労働などの、劣悪な案件が誕生しているのです。
お金にならない仕事を喜んで引き受ける若手エンジニア
ちょっと気になったのは、
タダで、仕事をして喜んでいる、若者
こんな人って、本当に、いるのか。。
何が、若者を馬鹿にし過ぎているような感じもします。
でも、近年、
高額な入会金や受講料を支払って、何の役にも立たないプログラミングスクールに、進んで通う若者が少なくない
とよく耳にします。
また、若手エンジニアは、まだ、スキル相場や単価感がよく分かっていない場合が多く
、その無知さに漬け込む形で、低単価で案件を押し付けているようです。
そこで、プログラミングの勉強になるからと一言足されると、
安いけれど、プログラミングスクールにお金を払うことなく、働きながらスキルが身につくなら、まあいいか、という結論になりやすいでしょう。
なるほど、喜んでタダ働きをする若者がいても、不思議ではありませんね。
勉強になるからと、安い金額で、働かせる老人
と
勉強になるからと、安い案件を、喜んで引き受ける若者
彼ら彼女らが共犯関係になることによって、今日も、質の悪い案件が世に生み出されているのです。