私が、フリーランスエンジニアになりたての頃の話ですが、
以前、商談の場で、「自分は日本で三本の指に入るくらいのシステムエンジニアである」と自称するエンジニアの方とお会いした事がありました。
日本で指折りのエンジニアと聞いたが、蓋を開けると老害だった
クラウドソーシングで繋がって顔合わせの運びとなった案件です。
場所は文京区。
現れたのは、50代後半くらいのオジサンでした。
地下鉄の駅近くのコワーキングスペースで待ち合わせて、ミーティングルームに通されました。
先ず、名刺交換をすると、
「システムエンジニア 兼 顧問」
と肩書きが載っていました。
顧問?
聞くと、取締役的なポジションで、単なるシステム開発に留まらず、その会社の経営に対してコンサル的なことも行なっているという話をしていました。
そして、次の言葉にかなり興味を抱きました。
このオジサン、日本で三本の指に入るくらいの技術力のある御方だそうです。
はっきりとそう仰いました。
これは、本当に凄いことです。
さて、それから、案件の話です。
案件は、現在稼働している業務系のシステムに対して新規機能を追加するというものでした。
お聞きしていた仕様は、それほど複雑なものではなく、正直、難易度は低めの案件という印象でした。
すると、ベテランエンジニアは、
「フリーランスは、技術力の低い阿呆ばっかだ」
と愚痴を繰り返していました。
過去に嫌な経験があるのでしょう。
「本当に君が本案件を確実に完成させられる力があるか見極めたい。実力を証明するものとして、以前作ったソースコードを開示できますか」
顔合わせの日程を決定する段取りで、ソースコード等の成果物開示の依頼を受けていたこともあり、本日、見てもらおうと、ソースコードを持って来ていました。
MacBook Proを開いて、
「このようなコードを書いています。いかがでしょうか」
と画面をベテランエンジニアの方に向けました。
ベテランエンジニアは、ふむふむと、ソースコードを見ます。
私としては、日本で三本の指に入るというエンジニアに、自分のソースコードをレビューいただけるというので、とても嬉しくなりました。
開示したソースコードは、ステップ数が多いので、エディタをスクロールする必要がありました。
ベテランエンジニアは、エディタをスクロールをしようとしても、できない様子でした。
その瞬間、私は、あ、この人、Mac触ったことが無いんだな、と分かりました。
もちろん、口には出しません。
ベテランエンジニアは、
「なんだこれは」
と言って、ボタンやトラックパッドをガチャガチャさせ始めました。
Macを使用している方なら言わずもがなですが、
画面スクロールの操作方法はWindowsのそれと異なります。
見かねて、私が、二本指をタッチパッドの上を滑らせると、エディタがスクロールされました。
ベテランエンジニアも見よう見まねで、その操作をやろうとしましたが、ぎこちなく、上手にいきませんでした。
次の瞬間です。
このベテランエンジニア自身のプライドが傷ついたのでしょう。
突然、私のmacをぶっ叩き始めました。
私は、びっくりして、と慌てて、私のMacBook Proを取り上げます。
オジサン曰く、
「スクロールが動かないのは、そのパソコンがぶっ壊れているからじゃねえのか。面接の場に、ぶっ壊れたパソコン持ってくるって相手に失礼だと思わないのか」
と怒鳴りました。
私は、唖然としました。
当然ですが、私のMacBook Proは、壊れてなどいません。(このベテランエンジニアに壊されそうになりましたが。。)
もう一度、二本指をタッチパッドの上を滑らせると、問題なく、スクロールできました。
私は、
「いや、普通に動きますよ」
と言い足しました。
すると、
このベテランエンジニアは、
「おい、ガキ、誰に向かって口を聞いてんだ。喧嘩を売ってんならいつでも買ってやんぞ」
と、完全に、激怒しました。
恐らく、自分よりも若い人に、物事を教わると言うことが、この人のプライドが許さなかったのでしょうね。
おわりに
システム開発まで行き着かない、レベルの低い話ですね。
(このオジサンの自称ですが、)これで、日本で三本の指に入るエンジニアって。。
むしろ、このベテランエンジニアは、日本で指折りの老害エンジニア、の間違いなのでは・・
無言で、荷物を片付けて、会議室を後にしたことは言うまでもありません。
老害や能力の低い人には、関わるだけ時間の無駄になりますから。