転職フェア…
みなさん、行ったことはありますでしょうか。
電車の中吊りで、目にする機会が多い、あれです。
大型コンベンションセンターで、大々的に、開催されています。
複数の企業が、一堂に会します。
それぞれ企業ブースを設けて、
会社のパンフレットを配布、企業説明を行なっています。
もちろん、なかには、面接もしてくれます。
転職フェアは入場無料(体験談)
以前、有楽町・銀座近辺で働いていた時のことです。
その時は、休日出勤をしていました。
ランチの時間に、近所にある、国際フォーラム近辺を歩いていると、大きなポスターが目にとまりました。
なにやら、転職フェアが開催されているようでした。
ポスターの企業名の羅列を見ていたら、気になる企業の名前が入っていました。
なにせ、休日出勤をさせる会社です。
当時、転職を検討しても不思議なことではありません。
入口のところで、立ち止まっていると、
係員の人が、ニコニコしながらやってきて、
「ぜひ、見ていきませんか。入場無料です」
と言ってきました。
「入場無料だし、ぐるりと会場をめぐる程度でもいいかな」
そんな軽い気持ちで入場しました。
手続きに沿ったら説教の結末に至った
入口で、個人情報やスキル、職務経歴を記載する用紙を渡されました。
これを、記入して、各企業に、自分を売り込むのでしょう。
しかし自分は、今回、真面目に転職活動をしようとは思っておらず、会場内を軽く散歩しよう程度だったので、用紙は、空白のままでした。
入口では、用紙と一緒に、現在の職種を聞かれたので、
エンジニアをやっていますと告げると、
首にかけるネームプレートのようなものも渡されました。
どうやら、これが、自分の職種を表しているようです。
私がこれを首から下げて歩いていると、
「私はエンジニアで、転職を希望しています」
と言っていることと同義のようです。
そして、会場に入ってすぐです。
と言われるがままに、私は、椅子に腰掛けました。
前方には、テーブルが置いてあります。
私は、手持ち無沙汰に、入口でもらった、プロフィール用紙を、ぼんやり眺めていると、次の瞬間、それを取り上げられました。
顔を上げると、スーツを着たオジサンが、しげしげと、私の何も書いていないプロフィール用紙を見つめていました。
そして、ゆっくりと、私に視線を向けて、
「バカにしてるの?」
この瞬間、私は、気づきました。
今此処にいる場所は、
企業ブースであり、今この瞬間、面接が執り行われているのだと。
そしてとりわけ、目の前のスーツのオジサンは、人事部長か社長あたりだろう。
オジサンが取り出した名刺には、社長と書いてました。
聞いたことのない社名でしたが、
名刺とパンフレットを見ると、中小のSES企業であることが分かりました。
この時期、中小SESの正社員であった自分が、
中小SESに転職したいとは、一切、考えていませんでした。
それから、ひたすら説教をくらい続ける羽目になりました。
途中、
自分は、御社を志望する気はない。
御社社員と思しき人に、案内されて、ここに座っただけだ
と伝えましたが、
火に油というか、
一度、怒り出した人って、すぐには、怒りが収まらないのですね。
余計に怒り出しました。
おまけに、この中小SES企業
私の他に、このブースを見に来る人、
つまり、この会社を志望する人が、
全然いないみたいで、
かなりの長い時間、時間にして三十分くらいだったと思いますが、ずっと、罵声を浴びせられ続けました。
フリーランスになった今でこそ、
こんな、バカと付き合う気は無いので、
さっさと、場を離れるのですが、
この頃は、純粋な新入社員の時代だったので、
クソ真面目に、この社長という人の説教を受けてしまいました。
そもそもが、
長い時間かけて説教をすること時代が、
時間の無駄であることは、
この社長は、気づかないのでしょうか。
SES企業は、誰でも入社できる
そして、三十分後、
ようやく、解放されました。
解放された時の、社長の言葉に驚きました。
「君、採用決定」
私は、ほぼ、一言も発せず、
プロフィールカードにも、何も記載していません。
他者から見て、
私の情報は、
- エンジニアであること(首からかけているプレート)
- 見た目が若そう(新人の頃なので)
くらいしかありません。
この二つの情報で、
スキル等の情報、一切、不問にして、
採用決定なんて、相当なブラック企業であることは確信しました。
中小SES企業は、誰でも入社が出来る。
だって、何をやっているかよく分からない人にだって、採用を出すくらいですから。
SESの闇を、実感する出来事でした。