フリーランスをやっていると、
会社員時代ではありえない人と出くわすことが、少なくありません。
これは、クラウドソーシングサイトを通じて、或る発注者と繋がった時のことです。
時間を守らない発注者の話
50半ばの男性と、40後半の女性の二人でした。
名刺には、
男は、代表取締役
女は、経理と人事担当
とありました。
案件は、完全リモートOK。
複数のフリーランスに対して、
相見積もりを掛けて、
発注先を選定するとのことでした。
その前段階として、業務説明の顔合わせがなされました。
結論を言うと、この発注者から受注はしませんでした。
この発注者は、
「発注するから」
と言い、私は、業務説明に何度か駆り出されました。
そして最終的には、検討の結果、他社に発注する運びとなりました、と言う連絡が私の元に届きました。
(何度も、馬鹿正直に足を運ぶ私も、どうかとは思いますが、フリーランスなりたての当時は、そういった知識もありませんでした)
この発注者の選考によって落とされるのはしゃくでしたが、
何度も足を運ぶうちに、
私の方から、こいつから仕事を受けたくない気持ちが、芽生えていました。
というのも、
この発注者、全く、時間を守らない人でした。
打ち合わせ時間を設定して、
指定された場所で待っていると、
まず、発注者は、約束の時間になっても現れません。
遅刻の連絡すらありません。
そして、遅れてきても、悪びれる様子が、全くありません。
これが毎回です。
ひどい時は、一時間くらい遅れて、やってきます。
それから、
何事もなかったかのように打ち合わせが始まります。
業務説明は10分で終了。
それから、2時間くらい、
50男が踏ん反り返って、自慢話や愚痴を滔々と語り続けます。
隣で40女が相槌を入れます。
これが結構な苦行です。。
聞きたくないですが、
嫌でも聞かされるこの発注者の話は、
サラリーマンや会社という制度への批判でした。
9時から18時まで会社に拘束されるのはおかしい、
時間に縛られる生活こそ悪、
と、何度も繰り返されていました。
フリーランスとして働く者としては、
なんとなく、納得する部分もありました。
しかし、問題は、ここからです…
だから、
「遅刻は、問題がない。我々の会社は、普通に遅刻をするんだ」
と言い出しました。
そして、
どういった理屈かは、分かりませんが、
この発注者は遅刻をしてもいいけど、他の人が遅刻するのは絶対に許さない
とのことでした。
私は当然、遅刻せず、打ち合わせの10分前にやってきて、
いつ現れるか分からない、この発注者を待っています。
この発注者からは、自身が遅れても連絡すらこないのですが、受注者であるこちらからは連絡を入れます。
いちいち連絡してくるなとキレられます。
「サラリーマンみたいなことは言うなよ。我々の会社が遅刻をするのは、当たり前なんだからさあ」
発注者様の遅刻は許されるが下請けの遅刻は許さない
では、私も遅刻をすればいいではないか、
という話になるかと思いますが、そうはいきません。
この発注者、
自分は遅刻をしてもいいけど、それ以外の人が遅刻をすることは許さない
という感じでした。
なんとも、理不尽の極みです。
この発注者との打ち合わせで、
私が、遅刻をすることはありませんでしたが、
仮に、私が遅刻をしたら、
多分、怒るのでしょう。
この発注者の打ち合わせの後に、別件が入ってしまった日がありました。
発注者が定刻にやってきて、普通に打ち合わせをすれば、多めに見積もっても、十分、次の打ち合わせに間に合う時間でした。
念の為、発注者が遅れてくることを見越して、
H時から別件が入っている旨を伝えておきました。
当然の如く、この発注者は遅れてきました。
いつものように、長い自慢話を聞かされて、
次の予定の時間がやってきたので、
今日はこれで、と帰ろうとしたら、
自慢話で気持ちよくなっていたのかは知りませんが、
まだ、打ち合わせは終わっていないと、怒られたことがありました。
そもそもが、あなたが遅れてこなければ、何の問題もないのです。
自分勝手で、他人のことを配慮しない、発注者でした。
なんとも、論理的に無茶苦茶というか。。
ふと、思ったのは、
他の受注者に対しても、打ち合わせの際、同じように遅刻しているのかと考えると、不思議でなりません。
そんなことが続き、人格的に、この発注者は、いかがなものか、
と思った次第です。
次第に、意図的に、疎遠にしていきました。
会社勤めができないから社長をやっている奴
よくよく、話を聞いてみると、
会社員批判をするこの発注者が、起業に至った経緯は、
本人が遅刻の常習者で会社を解雇されたこと
が起因のようでした。
うーん、なんと言うか。社会不適合的な。。
上司に怒鳴られる場面が、思い浮かびます。
案の定、上司に勤怠を改善してくれと、怒られたそうです。
すると、
「だから、お前は、いつまでたっても、平凡なサラリーマンなんだよ」
と返したそうです。
「会社勤めの奴は、頭が凝り固まったバカしかいない。困ったもんだ」
50男が、踏ん反り返って、高笑いしていました。
開いた口が塞がらないという言葉の例文のような出来事でした。
一人で勝手にやってくれればいいのですが、周りの人たちに迷惑をかけていることは理解してほしいです。