結局のところ、フリーランスや副業を推進する潮流って、私達に、恩恵をもたらしているのでしょうか?
クラウドワークスやランサーズなどのサービスが身近になることにより、
フリーランスや副業を始める為の敷居が低くなりました。
そこで、強調されるのは、次のメリットです。
- 費用削減
- 時間削減
費用と時間の削減は、
企業にとっても、個人にとっても、大きなメリットです。
企業にとっては、
安価に、そして、早く発注ができます。
個人にとっても、
企業側案件の獲得が以前よりも容易くなりました。
クラウドソーシングの登場以前では、
発注を行うにも、何より人材の確保が困難でした。
今ほど、安い単価で発注できることは稀でした。
発注するまでの過程において、社内稟議を何度も何度も行ないようやく発注に至るわけですから、時間もそれ相応にかかります。
クラウドソーシング以前、と比べれば、最高ではないですか。
クラウドソーシングがもたらした負の遺産
長くクラウドソーシングを使っていると、
いやがおうにも、デメリットを、経験せざるを得なくなります。
それは、確実に、全体的に、「質」が低下した点です。
ここでいう「質」とは、あらゆる面を指しますが、
大まかにいうと、
「人材の質」が、それに該当します。
クラウドソーシングは、玉石混淆です。
宝石もあれば、石ころもあります。
宝石だけが存在する、ということはありません。
同時に、石ころだけ存在する、ということもありません。
無論、石ころばかりに当たってしまうと、世の中全て石ころしかないと、思いたくもなりますが、そんなことはありません。
これは、「発注者」「受注者」両方に当てはまります。
その前提に立つと、
時間や費用が、削減できる
という前述のメリットも揺らぎ出します。
悪質な発注者や悪質な受注者に当たってしまったら、
メリットを享受できる保証は、ありません。
受注側からすれば、悪質な発注者に当たったら、
- 報酬の不払いの可能性
- 発注までに至らない雑務の押付(タダ働き)
- 犯罪的要素
などが発生するでしょう。
いずれも、時間とお金の無駄です。
発注側からすれば、
悪質な受注者に当たったら、
- 業務の投げ出し
が発生するかもしれません。
これも、時間とお金の無駄ですね。
受注者も発注者も、
石ころに、つまずかないように、
人を見抜く力をつける必要があります。
デメリットの埋め合わせ
私は、受注側です。
結局、
悪質な発注者に当たらないようにするためには、
お金を使うのも一つの手だと考えております。
分かりやすい例は、エージェント(仲介)です。
受注者と発注者の間にエージェントを置くことで、未払いリスクは、軽減できます。
もちろん、エージェントには、一定の支払いをする必要はあるのはいうまでもありません。
昔と変わりないですよね?
しかし、こうして考えていくと、
クラウドソーシングがもたらした世界とは、
クラウドソーシング以前の世界と大して変わっていない事が分かります。
クラウドソーシングによって、時間や費用を削減できる。
そんなメリットが謳われていますが、同時に、質の低下を招いています。
その質の低下を埋めるために、時間やお金を費やす必要があるのです。
戻ってきて、しまいましたね。
表面的には、新しい働き方なのかもしれません。
本質は、以前とあまり変わっていないということなのです。