クラウドソーシング

クラウドワークスで詐欺に遭った話

crowdworks theft and scam

これは、クラウドワークスの規約に従って、事を進めたのに、

最終的に、詐欺に遭ったという話です。

※クラウドワークスを通さずに、発生したトラブルではありません。

 

 

1.規約に従った結果が窃盗

結論を言うと、

成果物の窃盗に遭いました。

 

クラウドワークスの規約に従っているのになぜ?

と思われるかもしれません。

 

事の顛末は、次のような流れです。

 

一つひとつ、見ていきます。

 

成約

クラウドワークスで掲載されていた案件に応募しました。

もちろん、クラウドワークスのサービス上で契約を交わしました。

大前提として、トラブルが発生しないように、規約に則った形で進めました。

 

作業

作業は、業務系システムの管理機能とAPIの開発でした。

それと、簡単な設計書や手順書の作成も含まれていました。

固まった要件をもとに、ガリガリ実装を進めていける状態でした。

 

工数は、1人月未満。

大凡、0.9人月程度とクライアントから伺っており、

私自身が、作業内容の見積もりをしても、

妥当だと感じました。

 

他に受けている案件と稼働の調整を行ってから、

作業に取り掛かりました。

 

納品、したけれど…

実装がメインだったので、

作業は順調に進み、トラブルなく終えることができました。

途中、随時、クライアントの担当者に実装したものを、

確認いただいていたので、

特に、クライアントとの認識齟齬も生まれませんでした。

 

そして、納品。

もちろん、クラウドワークスのシステム上から納品しました。

 

検収 ※複数回

納品した成果物に対して、

クライアントは検収を行わなければなりません。

 

この段階で、

私は、クライアントがオカシイ事に気づきました。

 

このクライアント、検収を行おうとしないのです。

 

納品した成果物に対して、

合理的な理由なく検収を行わないのは、下請法違反になります。

 

頼み込んで、検収に着手いただく運びとなりました。

(私が頼み込むという時点で、オカシイのですが、、)

 

最初のうちは、

このバグ修正してください、

と指摘が入り、それを修正して、

再検収依頼という形で、進めていましたが、

次第に、

何も不具合がないのに、

検収を不合格にするようになってきました。

 

「よく分からないけど、とりあえず、検収不合格にしておきます」

 

クラウドワークスに相談 ※複数回

検収において、

何か不具合があって、そこを直してくれ、

なら分かりますが、

特に正当な理由なく、検収不合格にされては、どうしようもありません。

 

私は、クラウドワークスに相談しました。

すると、以下のような回答が戻ってきました。

 

ご契約条件や、クライアント様により合格基準はそれぞれ異なるため、
事務局としても合格基準等については不明な部分がございます。

当サイト上で締結されるご契約に関しましては、クライアント様とメンバー様の二者間契約となりますため、
取引の当事者ではない事務局は、契約内容に関する問題については言及することができかねる状況でございますことをご容赦くださいませ。

そのため、誠に恐れ入りますが、当事者間でのやり取りなどにおいて、
何かしらの問題や齟齬が発生している状況の場合には
当事者間でのやり取りにてご解決いただくようお願いしております。

もし、ご契約内容の成果物を正しく納品したにも関わらず、
クライアント様に検収のお手続きをおこなっていただけない場合には、
誠に恐れ入りますが、弁護士や警察などの第三者機関へご相談いただきますようお願いいたします。

 

私は、このまま報酬が支払われないのでは、という最悪が頭をよぎりました。

そこで、

クラウドワークスに

このままクライアントが検収を拒否し続けたら、

どうなるのかを聞いてみました。

クラウドワークスからの回答は、以下です。

 

当サービスでは、クライアント様が仮払いをおこなった日から180日間を仮払い有効期間と設定しており、仮払い有効期間が過ぎたご契約に関しましては、「業務」のステータスから「仮払い待ち」のステータスになります。

(中略)

仮払いから180日が経過すると、クライアント様に仮払いいただいた金額は、
サービス上へと返金させていただいております。

 

要するに、仮払いから180日経過すると、

クライアントのもとに、仮払い金が戻されるということです。

 

私は、どうにも、腑に落ちなかったので、

クラウドワークスに、

似たような質問を、

三回、お送りしました。

 

三回とも、ご回答いただけて、

三回とも、まったく同じ上記の定型文でした。

 

デッドロック 打つ手なし

「よく分からないけど、とりあえず、検収不合格にしておきます」

 

私は、クライアントに、

「依頼を受けた作業は、すべて完了いたしました。

どうしたら、検収合格にしていただけるのですか」

とメッセージを送りました。

 

すると、

「弊社に来てくれませんか?

あなたは、非常に優秀なので、

是非、うちの社員の教育をしてもらえませんか」

 

社員教育?

これって、どこから出て来たのでしょうか。

当初の案件内容や見積もりに含まれていません。

 

このクライアント、

案件内容に含まれていない作業をやらせようとしてきました。

 

その後も、

検収を再開してほしいと何度も、お願いしたのですが、

このクライアントは、

合理的な理由なく、検収を拒否し続けました。

 

クラウドワークス上での、クライアントとのメッセージのやり取りは、300回以上

再検収の複数回

打つ手がなくなりました。

 

契約終了

クライアントから、「契約途中終了のリクエスト」が届きました。

 

この時点で、クラウドワークスに相談したのですが、

戻って来た回答は、相変わらず、同じ文面の内容でした。

 

 

 

成果物を持ち逃げされる

無報酬

当初、0.9人月と聞いていた案件でしたが、

実際、6ヶ月くらい稼働させられました。

 

このクライアントの事務所は、

私の自宅から近く、

何度か、呼び出されて、

クライアントの会社で作業させられたこともあるんですよね。

 

それに私が受けている他社案件を、調整までして、対応したんですよね。

 

最終的に、

成果物を持ち逃げされ、報酬も支払われませんでした。

 

いうまでもなく、これは下請法違反です。

 

2.何の為の規約なのか?

私は、これまで、SESや派遣を長く利用してきました。

 

SESや派遣などの仲介は、

エンジニアとクライアント企業の間に入り、

契約やトラブル調整などの、業務を担ってくれます。

 

仲介手数料を支払っているゆえに、

仲介企業は、それだけしっかりとしたサポートをしてくれます。

 

SESや派遣会社と同様に、

クラウドソーシングを捉えるのは、大きな間違いです。

 

クラウドソーシング……

今回は、クラウドワークスですが、

 

少なくとも、クラウドワークスは、

クラウドワークスの規約に則って、犯罪や詐欺に巻き込まれても、

一切、何も対応してくれません。

 

しかし、仲介料は、しっかりと報酬から、抜かれます。

 

このクラウドワークスに支払う仲介料とは、一体に何に対する、料金なのか、訝ります。

 

受注者と発注者を繋ぐ場を提供している、

という名目なのかもしれません。

 

ならば、

受注者が、詐欺師的な発注者と繋がってしまった場合も、

責任を持って、対応いただきたいと考えております。

 

「ルールに従って、詐欺に遭っても、弊社は関係ないよ。そっちで勝手にやってください」

 

ならば、クラウドワークスを通して契約をする必要はないと思いました。

なぜなら、クラウドワークスを通すと、詐欺に遭う可能性があるからです。

この詐欺を、受注者が、見破るのは困難です。

そして、その詐欺被害に対して、誰も責任を取ってくれません。

 

もしかしたら、

通さないで直契約をした方が安全なのでは、と少し考えてしまいました。

 

3.【悪用禁止】これって、もしかして

ここまで、読んで頂いた御方ならば、薄々、感づいていると推察します。

 

※ 以下の内容を推奨しているわけでは、ございません。フリーランスの被害を、これ以上出さない為にも、犯罪的行為を、可視化することを目的としております。

 

閑話休題。

 

報酬を支払うか報酬を払わないか、

そのさじ加減が、クライアント次第ということです。

 

換言すると、

クラウドワークスのサービスで契約を締結しても、

クライアントは、報酬を支払わずに、受注者に仕事をさせることができる、

ということです。

 

方法は、前述のフローチャートの通りです。

繰り返しますが、決して、行わないでください。

極めて悪質な行為です。

 


 

適当な案件をクラウドワークスで募集を掛けます。

 

見積もりの中から、適当な受注者を決定します。

 

その受注者に作業をしてもらいます。

 

クラウドワークスのサービス上から、成果物を納品してもらいます。

 

その後、検収を拒否します。

ひたすら、検収を拒否します。

 

この状態が続くと、受注者は、当然、不安になり抗議してきます。

 

それでも、検収を拒否します。

拒否の理由はなんでもいいです。

理由はなくてもいいです。

 

受注者が優秀な奴ならば、もう少しタダで働かせてもいいでしょう。

 

納品した成果物が問題無いようならば、ここで、契約終了のリクエストを出しましょう。

 

恐らく、受注者は、クラウドワークスに助けを求めるメールを送っているでしょう。

 

でも、

このクラウドワークスというプラットホームから現れた詐欺的な発注者に受けた被害を、クラウドワークスは助けてくれません。

 

契約終了のリクエストを出し続けましょう。

このまま、180日経過すれば、仮払金は、全額、クライアントに払い戻しされます。

 

以上です。

 


 

 

つまり、

クラウドワークスを利用すれば、タダで、成果物を取得することが可能です。

 

もちろん、利用規約に沿って利用している良識ある受注者の犠牲の上に成り立つ事実であります。

 

4.悪質クライアント

クライアントは、中小零細企業でした。

 

打ち合わせでは、二人の担当者と、対面しました。

40代と50代くらいのオジサンで、

二人とも、システムエンジニアを名乗りました。

 

しかし、話したところ、

本当に、システムエンジニアか疑うほど、

システムに詳しいようには、思えませんでした。

 

当人達は、一応、

Webやアプリ系は強くない、専門分野が違う、

と言っていましたが、

それすらも疑わしく感じるほど、低レベル感がありました。

 

どちらかと言うと、素人という感じでした。

 

素人だったらよかったのですが、

自分達をエンジニアと名乗っています。

これが厄介です。

 

素人、非エンジニア

システムに関する専門分野に対して、

自分の得意分野ではないので、

謙虚に、真摯に、傾聴してくれます。

 

まったくエンジニア的な仕事が出来ないのにエンジニアと名乗る人

これに加えて、年齢を重ねた人ならば、厄介です。

非常に、コミュニケーションが取りづらいのです。

 

この方々、何が分かっていて、何が分かっていないのかが、

分かりづらいんですよね。

 

分かっていない事は、恥ずかしい事と思っているのか、

分からない事を隠そうとしてくるし、

分からない事を、こちらが説明しようとすると、

途端に、機嫌が悪くなったりするんですよね。

 

こんな状態の方々だったので、

私は、しっかりと、発注頂く案件の作業内容の詳細を、書面で交わしました。

お互い、対応内容を把握し、合意に至りました。

 

しかし、結果は、前述の通りです。

 

当初、書面で交わした内容なんてカンケーねえ、

という具合に、契約外の作業をガンガン依頼してきました。

 

おわりに

私は、今回の件を、公正取引委員会や中小企業庁に、通報しました。

(今回の場合は、中小企業庁です)

 

公正取引委員会や中小企業庁から、

私(個人事業主)宛に届いていた、

「親会社の下請法違反に関する調査」という書類に、

詳細を記入して返送しました。

 

こんな案件に6ヶ月も費やしました。

それで、作ったものを盗られて、無報酬です。

 

それならば、

この6ヶ月、別の事に時間を使った方が、はるかに、よかったと後悔しました。

ABOUT ME
普通のフリーランスエンジニア マノリさん
1981年生。早稲田大学卒。秋葉原(外神田)在住。フルリモートで作業中。昼は人で溢れかえり、夜は誰もいなくなる電気街で、仕事を頑張る。趣味は、小説と散歩