新卒入社の生え抜きばかりの職場・・どんなイメージを持ちますでしょうか?
以前、派遣社員として就業していた時、或る新聞社に、派遣された時がありました。
システム系の部署です。
部署内は、30名くらいのメンバーがいました。
その30名の中で、派遣は、私一人でした。
私を除いて他は全て、その新聞社の正社員です。
加えて、その正社員は、ほぼ50代以上が占めていました。
そして、この50代の正社員たちは、ほぼ新卒入社の生え抜き社員とのこと。
みんな50代以上の正社員、且つ、新卒入社の生え抜きゆえに、この会社しか経験していない
そんな環境の中に、派遣社員として入りました。
結論を言えば、
とてつもなく、働きづらい環境でした。
1. 転職経験の無いオジサンたち
薄々、想像がつくかもしれませんが、
転職経験の無いオジサンたちは、非常にクセが強い感じでした。
- 基本、敬語が使えない
- 嫌な時、駄々をこねる
- 脈略なくキレる
- よかれて思っての説教
子供状態のまま大人になったような、そんな振る舞いが散見されました。
一人ならまだしも、これが、部署内全員ですから、かなり厄介です。
いわゆる、ポンコツ集団ということです。
ポンコツ集団では、仕事ができないのでは・・
という至極真っ当な疑問が湧きますが、仕事はできなくてもいいのです。
この会社は、大企業です。
仕事をやるのは、発注先となる下請け企業になります。
この部署のポンコツ集団は、あれやれこれやれと命令するだけでよくて、自分たちは、何もできなくていいのです。
2. 転職経験の無い弊害
なぜ、転職経験の無い人は、こんなポンコツになるのか?
外部の目、第三者の目を獲得出来ていない事が、一つの要因でしょう。
転職をした事がないという事は、新卒入社したこの会社の世界しか経験していないという事実を表しています。
その組織が、既に機能不全に陥っているならば、以降、入社してくる新卒たちも、問題のある組織の一部に、取り込まれていかざるを得ません。
不具合が、再生産され続けます。
3. 転職って必要なのかもしれない・・
転職市場では、転職経験が少ないほど、高評価を得る仕組みになっています。
この仕組みに従うと、一度も、転職をしたことがない、これらの社員たちは、転職市場においては市場価値の高い人たちということになります。
しかし、この部署の人たちが、仮に、転職に踏み切ったとしても、その転職に成功するとは、とても考えられません。
長い間、一社だけで勤めてきて、凝り固められた頑固な自我を、溶かすことは、一筋縄ではいきません。
4. おわりに
この部署内が、新卒入社の50代オジサンだらけという会社
実は、長らく、新卒採用をしていなかったようですが、
前の年に、1名だけ採用したと伺いしました。
しかし、私が派遣された時には、既にその若手の姿は、ありませんでした。
もしかしたら、現代は、「転職をしない」という選択が、リスクになる時代なのかもしれません。
流動化する人材市場において、社外の人材交流や転職を念頭におきながら、ある程度、柔軟性のあるキャリアプランを構築する選択も、要諦なのだと思います。