学歴なんて関係ない!
よく耳にする言葉ですね。
エンジニア案件でも、学歴不問の求人は、少なくありません。
筆者は、フリーランスエンジニアです。
以前、或る零細企業と一緒に仕事をしたことがあります。
この会社の代表は「エンジニアに学歴は一切関係ない」と強く主張されている方でした。
この会社がユニークなのは、あえて、低学歴の人のみを集めて開発チームを作っている点です。
あえて低学歴を集めた会社
この会社と繋がったきっかけは、知り合いのコンサルタントの御紹介でした。
当方のスキルシートを送り、早速、顔合わせをしましょうという運びとなりました。
面談場所は、コワーキングスペースの一角のテーブル席。
対応してくれたのは、この会社の代表でした。
面談では、当方のスキルシートを叩き台にして、業務の話をする、と思いきや、この代表からは、私の学歴に関する話題ばかりされました。
学歴でそんなに話す事があるのか?と普通は思いますが、この代表は、
「学歴があっても意味ないよ」
ってことを何度も何度も話されていました。
ちなみに、この代表は、専門学校卒とお伺いしました。
結果、この会社との面談は、案件の業務内容や当方の職歴などの話はせず、大半は、学歴に関する事、詳しく言うと、「学歴なんて関係がないよ」という事を、代表から聞かされました。
で、この代表の発言に驚きました。
「学歴なんて関係がないから、うちの会社は、学歴が低い人を集めて仕事をしている」
大手企業の新卒採用では、学歴を基準として、旧帝大、早慶、マーチなど・・高学歴の学生を積極的に採用している、とはよく耳にします。
近年では、「学歴フィルター」という言葉も有名になりました。
但し、この会社は、その逆です。
あえて、低学歴を集めている、と伺いました。
その理由が「学歴なんて関係ないから」との事
「学歴不問」といえば、高学歴や低学歴・・関係なく混在するイメージがありましたが、この代表の基準では、「学歴不問 = 低学歴のみ」
「低学歴のみ」と括る事は、学歴にこだわりがある = 学歴は関係がある、と思えてしまいます。
(そう思いましたが、私は受注者(下請)の立場だったので、黙っていました。)
高学歴とは契約しません
面談で、学歴を気にする代表の話を伺っていて、非常に不安になりました。
それは、私の学歴で、この会社は契約をしてくれるのだろうか、という事です。
私は、早稲田大学を卒業しています。(文学系なので労働市場においては自虐的側面がありますが・・)
そもそも、低学歴と高学歴の境目は、どこにあるのでしょうか。
私は、単純に、「大卒 = 高学歴」と思っていましたが、この代表には、違うと言われました。
この代表曰く、大卒でも聞いた事のない大学の場合、低学歴という扱いになる、との事でした。
いわゆる、Fラン大学という奴のようです。
そして、
「残念ながら早稲田大学は、高学歴という扱いになる為、当社(プロジェクトチーム)と君は、契約する事が出来ない」
とはっきりと言われました。
ドイツの哲学者カール・マルクスの「資本論」を持ち出すまでもなく、
公正取引委員会や中小企業庁が警鐘を鳴らす「下請法」を読み直すまでもなく、
いつの時代も、仕事をいただく側の立場は、弱いのです。
私の経歴とマッチングしていた案件だったので、非常に残念でした。
諦めかけていた、その時、この代表が、
「長期的にお仕事を振ることは出来ないが、スポット的に、我々の開発プロジェクトに、参画してみないか」
と仰いました。
開発期間は、2〜3ヶ月程度とのこと。
私は、それを承諾し、低学歴で構成されたという、開発チームと一緒に仕事をすることになりました。
「低学歴チーム」に参画した感想
前置きですが、
この会社の代表自身が、
「学歴なんて関係ない。だから、低学歴のみを集めてチームを作った」
と仰っていたので、ここでも、あえて、「低学歴チーム」という書き方をします。
もちろん、エンジニアという仕事に、学歴は関係無いという理屈も分かります。
当然ですが、以下の感想が全ての人に当てはまるとは考えておりません。
さて、感想を書きたいと思います。
低学歴チームに参画して、3ヶ月間。
チームは、高卒からFラン大卒までの4名のメンバーがいました。
それに、私を加えて5名で、アジャイル型の開発手法で、開発プロジェクトを進めていきました。
プロジェクトの後半、納品の段階で、かなり苦労しました。
この案件の結末は、私が成果物を納品したのに、検収をしてくれず、報酬を全額お支払いいただけないまま、この会社と連絡が取れなくなってしまいました。
非常に後味の悪い案件でした。
まあ酷い目に遭わされた会社なので、このまま感想をまとめてしまいます。
あくまで、個人の見解なので、悪しからず。
それで、この代表が作った低学歴チームに参画してみて、以下のような特徴を感じました。
・キレやすい
・文章力が低い
・お金への執着(金払いが悪い)
・妙なコンプレックス
基本、リモートワークで、週1で対面打ち合わせをしていました。
リモートワークのコミュニケーションは、チャットツールを使っていましたが、相手側の文章力に非常に難がありました。
この文章力の低さからくる、コミュニケーションの齟齬は非常に厄介なのです。
例えば、必要な全てのタスクを箇条書きで頂いた事がありました。
それをもとに、全てのタスクである事を踏まえて、工数を見積もって作業に取り掛かりますが、蓋を開けてみると、伝達漏れで、後から、残タスクが出てきたりするんです。
「必要タスクはこれで全てですか」
としっかり確認して作業に取り掛かりますが、ポロポロと後になって作業が出てくるのです。
これには閉口するばかりです。
それに加えて、非常にキレやすい方が多い傾向がありました。
ちょっとした認識齟齬で、怒鳴り散らす、怒りの沸点の低さが、感じられました。
プロジェクトでキレる人がいると、進捗は停滞します。
怒声に、萎縮する人もいて、良い事は何もありません。
店員にキレる
対面打ち合わせの時、このチームで、一緒に、近所のランチを食べに行った事もありました。
その度に、このチームメンバーが店員に横柄な態度を取り、或る時は、店員に怒鳴り散らしたりする場面もありました。同じ席に着いていただけに、居た堪れなくなりました。
見た目も関係無い
ちなみに、「学歴なんて関係ない」と主張する、この代表(組織)は、何かの拍子に、
「見た目(容姿)は個性であり、見た目(容姿)も学歴同様、関係がない」
ということも、仰っていました。
その主張の通りか、私以外のチームメンバー全員が、ビール腹の中年でした。
ランチでファミレスに行くと、テーブル席が過密状態となります。
閑話休題。
この代表からは、お金への強い執着が感じられました。
唯一の価値基準は、お金という具合です。
その強い執着心に、危うさを感じました。
なんというか、お金にコントロールされているような感じを受けました。
代表のお金への強い執着心によって、結局、私は、報酬全額を回収し損ねてしまったわけです。
東大生と仕事をした結果
筆者は、東大生のベンチャー企業などと仕事をさせて頂いた経験もあります。
東大生は、前述の「低学歴の特徴」と真逆の特徴がありました。
文章力が高いのは言うまでもありません。
私と一緒に働いた東大生は、温厚な方が多かったです。(そもそも、キレやすい人って例外かもしれませんが)
そして、
低学歴と高学歴の経営者を見ていて、一番大きな違いを感じた点は、お金に対する姿勢です。
・東大出身の経営者は、お金をコントロールする
・低学歴な経営者は、お金にコントロールされている
ここには、低学歴経営者のコンプレックスがあるように思えてなりません。
過度に「学歴なんて関係無い」と言ったりする姿勢には、学歴では負けているけど、仕事では絶対に負けたく無い、というコンプレックスが、見えるのです。
そもそも「学歴なんて関係無いから、低学歴のみで組織を作る」と言う時点で、学歴は関係あると言っているようなものです。
相当、学歴を意識した行動に他なりませんね。
結果、低学歴チームに参画してみて、ストレスが感じられました。
なんというか、コンプレックスを押し付けてくることによって発生するストレスのような感じです。
そもそもが、本当に、学歴が関係ないならば、学歴云々って議論は発生しないのです。
変な会社に関わってしまったのかもしれませんね。
やっぱり、学歴って大事だなあと思った一件でした。