新型コロナウイルスは、多くの業界に影響を与えました。
もちろん、SES業界も無縁ではありません。
緊急事態宣言が発令された前後期のSES業界について振り返りたいと思います。
今春の4~5月に、緊急事態宣言が発令された当時は、
飲食店を始めとした、室内空間で密になりがちな業種が大打撃を受けるとの報道があり、
一方で、IT業界は、テレワークに活路を見出し、それほどコロナの影響を受けないのではないかとも言われていました。
しかし、今春のコロナ禍真っ只中の時期は、SES業界でも、突然のエンジニアの契約終了や新規契約の見送りなど、コロナによる悪影響が起きていました。
付き合いのあるSES営業に、コロナ禍の時期に連絡を取ると、
- 新規の案件数が減っている
- 稼働していたエンジニアが(コロナの影響で)契約終了になった
という話を聞きました。
これは、複数のSES企業の営業で、同じような回答でした。
コロナ禍では、リモート可のSES案件が増えました。
しかしそれは、クライアントがリモートで対応させてくれる場合の限られた案件に過ぎません。
サービスの特性上リモート稼働が不可ならば常駐を余儀なくされ、その場合、クラスター発生のリスクを企業側が負うこととなります。
加えて、コロナ禍真っ只中では、どの業界も先行きが明るくないことは目に見えています。
リモート可のSES案件が増えても、実情は、全体的に、案件数は減っていたようです。
かくいう、私自身もコロナの影響を受けました。
長年契約させて頂いていた複数の案件が突然全て終了し、5月期の収入は0円でした。
(持続化給付金を申請させていただきました)
withコロナ時代のSES業界
緊急事態宣言下では、SES業界も、コロナの悪影響を受けていましたが、
緊急事態宣言が解除された後の、6月以降は、回復していったようです。
案件の数も徐々に増えていきました。
緊急事態宣言下で、リモート稼働をしていたエンジニアも、緊急事態宣言が解除されるや否や、早速、常駐稼働に戻された現場も少なくありません。
一ヶ月無収入であった私ですが、
翌月以降から、案件が一旦停止されたクライアントから再びお声掛け頂き、これまで通り、普通に案件を受注しております。
コロナ禍におけるSES業界は、
緊急事態宣言下では、案件数や契約終了等、確かに悪影響が発生したが、
緊急事態宣言が解除された後、withコロナ時代に至って、徐々に回復していった、
という潮流が見て取れます。
緊急事態宣言下の悪影響は、コロナという感染症の不確かさによってもたらされたものであるとも感じられます。それが、徐々に輪郭がはっきりしてくるにつれて、通常業務へと回復していきました。
そう考えると、テレワークで仕事ができるエンジニアは、コロナの影響を受けにくいと言われます。
確かに、今年コロナをきっかけに、テレワークが急激に普及しました。
もちろん、withコロナ時代でも引き続きテレワークを導入している企業はございます。
その一方で、緊急事態宣言中はテレワークでも、解除された直後から、多くのSES案件では、客先常駐に戻されたと聞きます。
すると「IT業界 = コロナと無縁」の定式の根拠をテレワークに求めることは難しいとも考えられます。
では、何かと問われると、SES業界の景気不景気は、一種の感情的な問題なのかもしれません。
客先常駐をさせるには、何か理由はあるのでしょうが、
FAXや印鑑に通じる、古い慣習的なものを感じざるを得ないですね。