SES・派遣

SESにおけて新人がツライ理由

ses new employee

SESの現場は、4月から7月にかけて、新人が、たくさん現場に入ってきます。

第1陣は、4月。

第2陣は、新人研修を終えた7月に、参画します。

 

簡単な研修をやった後、あるいは、研修なしでいきなり、OJTと称して、現場に、放り込まれるなど、様々です。

 

SESは基本、経験者を求めている

開発業務が未経験である新人は、客先に配属されても、業務に困難を極めます。

それが目に見えているので、SES企業は、基本、経験者を求めています。

 

しかし、こう書くと矛盾しているように思えるかもしれませんが、

SES企業は、まったくの未経験者も歓迎しています。

 

SES企業側からすれば、

結局は、経験者だろうと未経験者だろうと、

客先に投入出来ることが必須の要件になるわけです。

未経験者でも、ポテンシャルを勘案して、契約をしてくれる客先は、存在します。

 

その場合、当然ですが、未経験なので、仕事をするのに、大変な苦労がつきまといます。

 

SESエンジニアの場合、研修があるほうが稀だと思います。

大概、いきなり現場に、放り込まれ、何をやったらよいか狼狽し、右往左往します。

そんな、新人をよく目にしました。

 

そんな新人に対しては、所属の先輩や上司は、

「仕事は自分で考えろ」

「仕事は見て覚えろ」

と吐き捨てます。

かくいう私も、SESで働いていた頃、

新人時代、上司に、このようなことを言われました。

 

新人からすれば、

理不尽、以外の何物でもありません。

自分で考えて、分からなくて、間違えたら、怒られるわけですから。

 

教育能力が欠如している上司に当たって苦労をされる新人は、少なくないのでは無いでしょうか。

 

「自分で考え抜いて、それでも、どうしても分からなければ、先輩に聞きなさい」

このように、仰られる先輩・上司もいらっしゃいます。

 

この言葉に、多少、違和感を覚えました。

 

SES現場の新人と上司

上司
上司
分からなければ先輩に聞きなさい

 

昨今の労働環境は、1つの会社の1つの部署の上下関係だけで、完結しているということは、ほとんどありません。

 

SESの現場もそうです。

 

所属会社が異なる、様々な協力会社の方々が参画して、

1つのプロジェクトチームとなって動いています。

 

これは、SESに限らず、その他の現場でも当てはまることです。

案件の規模が大きくなれば、人手は必要になりますし、そこには、様々なところから、人が集められます。

 

集められた人と人は、同じ会社の上司、部下、同僚関係とは限りません。

 

もちろん、プロジェクトは、全ての人が、”同期”になるとは限りません。

 

長くプロジェクトを運用していると、

人員募集で、

数ヶ月後に、数名

一年後に、また数名

と不定期で、人員を増やしたり減らしたりすることが自然でしょう。

 

初期からいたメンバーと、

中途で入ったメンバーの本プロジェクトにおける、

知識は、異なります。

 

自然と、プロジェクトにおける、上司部下、先輩後輩のような関係性が出来上がります。

 

年下でも技術力が高い人や、先にプロジェクトに参画していた人が後から参画した人よりも、技術力が低いという、複雑さも、当然、あります。

 

注意すべきは、

この方々は、同じ会社に所属している者同士とは限らないと言う点です。

換言すれば、同じ、会社の被雇用者同士とは限らないと言うことです。

 

SES、特に中小のSESは、一人で配属される現場の方が、圧倒的に多いのです。

それならば、新人は、一体、誰に助けを求めればいいのでしょうか。

 

繰り返しますが、

プロジェクトに長く在籍している人は、別会社の方であり、

新人の直属の上司や先輩には当たりません。

 

別会社の方からすれば、

「なんで、自分と関係のない人に、俺が教えなければならないんだ」

と言う話です。

 

まったく関係が無いのです。

 

体験談

SESの客先常駐を長くやっていました。

 

30歳を過ぎたあたりで、

現場に入ったばかりの、大学出たてであろう、別会社から来ていた、

新人さんから、手取り足取り教えてくれ、

と言う具合に、来られる機会が増えました。

 

(これは良く無いことだと思ってはいますが、、)

私は、誰であれ、進んで教える方なので、

あれこれ、困っていることは手助けをします。

 

しかし、ふと考えてみれば、

私とこの新人さんは、

まったく関係のない人なのです。

 

本来ならば、

この手の新人には、直属の先輩や上司がフォローすべきなのです。

 

でも、

SESの現場では、

直属の先輩や上司が、この新人と同じ現場に入っているとは限りません。

一人で、客先に入ることもザラでしょう。

 

それで、新人は、他社の経験者に話をかけてくるのです。

 

そんな新人を相手にしない経験者の方が、多いと感じます。(当たり前ですね)

 

冷静に考えてみれば、

この新人は、失礼なことをやっているとも見られますね。

 

だって、

街を歩いていて、

そこら辺歩いている見ず知らずの人に、

これを手伝ってくれ、

と言っているようなものですから。

 

無論、親切な人は手伝ってくれるかもしれませんが…

手伝ってくれないからって、

「なんで、手伝ってくれないんだ」

と切れたりヘコんだりするのって、変ですよね。

 

おわりに

まとめると、

SESにおいて、未経験者がツライ理由は、

誰も教えてくれない状況下で、未経験者が業務を行わなければならない

ということです。

 

「分からないことがあったら先輩や上司に聞いてくれ」

は、上と下が同じ所属会社で関係性がある場合に、通用する、やり取り、と言うことになると思います。

ABOUT ME
普通のフリーランスエンジニア マノリさん
1981年生。早稲田大学卒。秋葉原(外神田)在住。フルリモートで作業中。昼は人で溢れかえり、夜は誰もいなくなる電気街で、仕事を頑張る。趣味は、小説と散歩