現在、コロナ禍の影響で、テレワーク(リモートワーク)が、爆発的に広がりました。
政府の緊急事態宣言は、今のところ、5月6日まで、と期限を区切っていますが、新型コロナの猛威は終息まで長引きそうである、という専門家の見解もあります。
今後、労働者のテレワーク移行は、安定的に普及して行くのでしょうか?
答えは、否です。
今回の災禍で、強制的にテレワークに移行した、いわゆるテレワーク初心者の方々は、今後、テレワークのデメリットに直面して苦労する可能性があるはずです。
1. テレワーク賛美の声
・通勤時間という無駄な時間が省かれて効率がいい
・もう満員電車に乗らなくていい
・会社に行かなくていいのでストレスが減った
テレワーク初心者の声がネットには溢れています。
それらの声は、テレワークに対してポジティブな感想が多い、印象があります。
確かに、不快な満員電車に乗らなくていいことは、メリットでしょう。
社内という物理的な拘束空間から解放されると、精神的な負担も軽減されるでしょう。
もちろん、通勤時間が無くなれば、その分、別のことに時間を使うことも可能になります。
但し、これらのテレワーク初心者の、テレワークに対する賛美の声は、単なる今までやったことのない事を初体験した際の、特別感から湧き出たものに過ぎません。
つまり、テレワークをやったことがない人が、初めてテレワークをやってみて、それのメリットばかりに目を向けている状態なのです。
テレワークが長期化し一般化した時、こうしたテレワーク初心者によるテレワーク礼賛の声は、全く異なるものになるでしょう。
2. テレワークが一般化したら・・
現在のコロナ禍で、初めてテレワークを経験したサラリーマン、いわゆる、テレワーク初心者にとって、今後、コロナ禍が長期化しテレワークが一般化したら、どうなるでしょうか。
今後、コロナ禍が長期化しテレワークが一般化したら、現在のテレワーク初心者の中で、精神疾患に罹患する方が少なからず現れると考えます。
今回、初めてテレワークをやってみて、テレワークのメリットを並べ立てている方は、今のところ、テレワークのメリットにしか目を向けていません。
物事には、必ず、メリットとデメリットが存在します。
それは、テレワークも例外ではありません。
テレワークが長期化し一般化すると、必ず、テレワークのデメリットに直面します。
テレワークのネガティブな側面は、
・他者と会話が著しく少なくなる
・規則正しい生活リズムが崩れやすい
・体を動かさない、運動不足
などが挙げられます。
いずれのデメリットも、会社員時代では、普通に享受できていた事柄なのです。
しかし、テレワークを実践することで、会社員時代の普通は失われます。
体を動かさず、人との会話をせず、不規則な生活を送る、となると、身体的にも、精神的にも、不安定な状態に陥ると考えるのは自然でしょう。
特に、長年、会社員として、出社、通勤をしてきた方は、会社員時代のルーティンが体に染み付いています。
その身体性にとって、一時の、テレワークは、異化作用をもたらしますが、それが長引くと、テレワークのデメリットに適応することは困難です。
サラリーマンは、受動的な存在です。
勤務時間、勤務場所等々が定められ、その通りに動かざるを得ないわけであり、受動的にならざるを得ないのです。
一方で、テレワークは、能動性、主体性が求められます。
この反転に、身体が適応することは容易くないのです。
ゆえに、テレワークが長期化すると、これまで会社員生活に慣れた人に関しては、精神の不安定化、ひいては、精神疾患が生じる恐れがあるのです。
3. まとめ
・コロナ禍によりテレワーク人口が増えた。テレワーク初体験の方々は、テレワークのメリットばかりに目を向けがちであるが、テレワークが長期化し一般化すると、デメリットに直面せざるを得なくなる
・テレワークのデメリットとは、会社員時代に普通に享受できていたメリットでもある。テレワークが長期化し一般化すると、テレワークのそれらのデメリットにより、精神的な病に罹患する人が少なからず現れると考える
今後、テレワークが一般化するかもしれません。
その代償として、うつ病など、精神的な病に罹患する人も急増する。
そんな未来を思わざるを得ないのです。